集落探訪
前回の続き。 上市町中心地から東へ約15km。 剱岳早月尾根への登山拠点、馬場島はアウトドアフィールドとして栄え、 清流濯ぎ木陰揺蕩う夏になれば、キャンプ客や登山者の往来で賑わいを見せる。 そのすぐ手前に、町内最東端の山村集落がある。 現行。 伊折(…
前回の続き。 黒川集落から五位尾集落へ向かう道、 両集落の中間に、ここに集落があったことを知らせる石碑と跡地が存在する。 現行。 開谷(かいだん)集落。 現在の世帯数0戸、人口0名。(上市町H30住民登録人口) 車道から八幡社へ至る道。 集落の起源は町誌…
上市町には全国から選定された昭和の名水100選の1つ、 今も好んで汲みに来る人が多い『穴の谷(あなんたん)霊水』が 中心地から約6km離れた山奥に湧き出ている。 黒川集落での分岐。 その穴の谷の黒川集落側分岐で、郷川に沿い数km走った先に目的地がある。 …
上市町は立山町に接し、剱岳を始めとする高峰が連なり、 山岳からの湧水の恵みに育まれた地には凡そ2万人が暮らす。 その蒼と深緑の豊かな町の奥、険しい山谷に数々の集落を携えている。 現行。 護摩堂(ごまどう)集落。 現在の世帯数1、人口2名。(H30国勢調…
前回の続き。 富山の昭和~平成初頭の廃集落を一冊の本に纏めた『村の記憶』では 山田川流域で5つ取り上げられている。 その中で最も訪ねやすい集落が、今回の舞台。 現行(中心が数納)。 数納(すのう)集落。 現在の世帯数0戸、人口0名。(富山市H31住民登録人…
集落探訪の趣味を持つと、見識はともかく行動範囲は確実に広がる。 今まで行かなかった土地、興味を持たなかったものにも積極的に関わるので 思わぬ発見が往々にしてある。 今回は幼少期から殆ど行ったことがない、旧山田村の集落にスポットを当てよう。 ---…
富山には奇妙奇天烈な地名が各所に点在している。 そういった難読地名には東坂下(さこぎ)のように理由が判明しているものもあるが、 由来が判然としないものも多々あり、地名を研究する『地名学』なる分野も存在する。 今回尋ねるのは典型的な後者であり、そ…
実は一発変換できる。 前回の続き。 開けた県道を走り、木陰の中に入って行く。 東坂下(さこぎ)集落。 世帯数5、人口17名。(H27国勢調査) 富山難読地名クイズ大会が催されれば真っ先に出てくるので、対策しておこう。 『サコギ』は小さい河谷のことである。 …
あー、牛タン食べたい。 前回の続き。 根上(ねのうえ)から土(ど)集落への道へと戻り、八尾町側へと走る。 数分すると分岐があり、そこを左へ曲がると目的地だ。 北谷(きただに)集落。 世帯数、人口不明。(字無記述。) 北谷(キタタン) (『八尾町史』) 富山県…
前回の続き。 土(ど)からは開けた山道を走る。 日が照り車に籠った熱気で蒸し蒸しする。 根上(ねのうえ)集落。 現在の世帯数3戸、人口4名。(富山市H29住民登録人口) 根上(ねのうえ) 古くは『禰の上』とも書いた。 (『角川日本地名大辞典』) 禰とは「親の御霊…
前回の続き。 雨上がり間も無いので、鬱陶しい羽虫は地表を這いずるばかり。 下伏から坂道を上がって間もなく数戸見えてくる。 土(ど)集落。 現在の世帯数2戸、人口4名。(富山市H29住民登録人口) 「どう」とも呼ばれる。 起源は判然としないが天正11年(1583)…
前回より のそのそぬるりと始まった、富山県内の廃集落を巡る旅。 「廃集落を巡る」と公言しておいて何だが、廃集落の周辺には往々にして 現役の過疎集落があるものだ。 そこをスルーして行くのも何か心残りがあるので、同時に巡りたい。 下伏(げぶせ)集落。…
廃集落の数が多い。 最近まで居住していた神奈川県が全国的に見ても少ないこともあるが、 富山県の高度過疎集落・廃集落の数は両指に収まらないほどである。 廃集落の経緯は地域により様々であるが、 ①高度経済成長期に端を発する、都市部への人口流出による…
秘境也。 さて、今回なぜ檜原村へ来ることになったのか。 前から小林家住宅に興味を持っていたのもありますが、それだけではありません。 今回はそれを順序立てて説明していこうと思います。 僕の古道・集落探訪は 昭和~明治の地図を見ながら、「臭い」場所…
杉林の中で。 奥多摩町氷川から歩いて、およそ2時間かかる三ノ木戸山。 その山の手前に、人が去り久しい廃村がある。 絹笠集落跡。 氷川の小字の地は、期待以上に僕の探索欲を湧かせることとなった。 ウス。 前回の続き。 駅に戻ってきて、次に廃村巡りへと…
ローカル・アンド・ロハス。 前回の続き。 旧五箇小中学校跡を後にして、向かった先は近くのS集落。 旧五箇村において中心的な立地にあった薬袋(みない)村の枝村の1つ。 小雨が降っている中、集落へ至る坂道を登ると祠がありました。 薬袋から人の気配のない…
Abandon...って訳じゃないよなあ。 前回の続き。 自然に飲み込まれたS集落を後にし、再びC集落への道へと復旧し、歩みを進めます。 山道の小さなピークにお地蔵様が鎮座していました。 毛糸で丁寧に編まれた帽子や前掛け等で、防寒具一揃いです。 手入れが行…
歴史小説の世界。 (その地は)秩父盆地の南に、ひとつの 「チベット的」地形をつくっている村だ。 (岡田喜秋(『山村を歩く』) 秩父の人々の生活を支える湖の裏側、 獣鳴く深山の奥地に、人の気配が途絶え久しい集落群が存在する。 かつて桃源郷と呼ばれたこの…
成瀬晶探検隊。 時は遡ること昭和94年3月1日。 我々は奥多摩の山中に廃村があるとの情報を得た。 その地の名は「旧K村」。昭和に栄えた村が、なぜ廃されることになったのか。 我々はその真相を確かめるべく、調査に降り立ったのである。 というね。 雨降る日…