アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2018年10月7日 南木曽町「妻籠宿」

 妻籠へ。

 

前回の続き、奈良井宿を出発し次の目的地の妻籠宿へと向かいました。

贄川宿馬籠宿までがおよそ88kmですから、

奈良井~妻籠まででも結構な距離です。

 

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www.kisoji.com/

そんな妻籠は馬籠の手前、木曽路11宿10番目の宿場町で、

現在の南木曽町に位置します。

塩尻市から木曽駒ケ岳御嶽山へ向かうルートを、更に名古屋方面に走らせた先。

距離の割に信号が少ないので車で行くとスムーズです。

 

妻籠宿の駐車場に到着し、車を泊めて外に出ると

すぐ川土手に降りる階段があります。

 

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(あららぎ)

木曽の一級河川で、アマゴやイワナが住む清流として有名だそう。

僕はこの旅行で多くの川を見てきましたが、ここが一番綺麗だと思いました。

河底の岩のせいでしょうか、水飴みたいなゆるっとした水流が木々の緑を反射して

翡翠のような美しさのある川です。

日本の原風景を思わせる懐かしさ。

 

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妻籠」の地名の由来ですが、妻とはの省略であり、

褄とは着物の部位の1つで、裾の左右の両端のことを指します。

一方で籠は、奥まったところの細々した集落のことで、駒込の「込」と似た意味を持ちます。

この木曽路の中でも山深いところにあるので、「木曽の端っこの奥まった村」として、

妻籠と呼ばれることになったとかなんないとか。

 

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妻籠宿は日本が経済成長により沸き立って、伝統的な建造物や集落が取り壊される中、

先陣を切って集落の保存に動いた、いわば伝統保全活動の第一人者(?)です。

その功績もあり、1976年には京都の産寧坂、岐阜の白川郷等と共に

重要伝統的建造物群保存地区の最初の7つに選定されました。

この水車もそれより昔から回り続けているのでしょうか。

 

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僕が子供の頃は地元にもこういう川があり、オタマジャクシやサワガニやホタルが沢山いたもの。

そういうのを取って遊んでました。

今では宅地造成や工事で無くなってしまいました。

豊かさってのはそういうことじゃないと思うんだよなあ。

 

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妻籠では、時間帯もありますが若い方が多かった印象を受けましたね。

ここに来る道も信号が少なくライダーがかなり見かけられました。

 

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妻籠宿本陣

昭和の傑作小説「夜明け前」の島崎藤村は隣の馬籠の出身です。

僕の中で藤村と言えば「千曲川」の詩人の印象が強いです。

夜明け前は藤村の父がモデル。映画は見たことないんだ。

 

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子供たちが側溝を見て、サワガニがいたと騒いでました。

サワガニは子供のアイドル。僕も見たらテンション上がるから子供みたいなもんです。

 

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この建物は以前は警察署だったそう。

町を守る仕事を引退した今は観光案内所として、

妻籠の歴史を旅行く人々に伝える仕事をしています。

 

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観光案内所の先は分かれており、先ほどよりも少し江戸に近い石畳の道が顔を覗かせます。

あの人だかりは、カエルの音が鳴る木細工を見てた。

 

別のところではシカの角が飾ってありました。

見たことはあっても持ったことはないなって思って持ってみたら、意外にあれ重いんだね。

てっきりカブトムシの角みたいに、硬くて軽いんだと思ってた。

シカっていつもあれ担いで動いてるのか。そりゃオープンゲットしたくなるよな。

 

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この風景はよく観光案内とかに使われてますね。妻籠って一目で分かるのがポイント高い。

妻籠は朝に来るか、夜に来るか、春夏秋冬いつの日かで印象がガラッと変わるみたい。

僕は写真で見ても暑そうな、それでいて賑やかで胸騒ぎのする夏の昼の顔が好きです。

 

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昔は馬も歩いてたんだろうなあ。

僕は酔うので牛に揺られてのんびり旅がしたいです。

 

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今でも干し柿の風習は残っていますが(実家でもやってる)、

こちらでは縄で吊るす簡素なものではなく、秋に藁を編んだ「つとっこ」に、

包むように入れて吊るすみたい。(厳密には干し柿ではない。)

それで冬に食べて、春や夏は残った藁に一輪挿しを入れて、花を活けて楽しむ。

粋ですね。

 

道をまっすぐ行くと、馬籠宿への道案内が。

妻籠8km程歩くと馬籠宿に着くそうです。中山道ハイキング

荷物を持ってきてるから歩けないよ、という人でもご安心、

荷物を持っていってくれるサービスがあります。

僕も一度歩いてみたいと思っているハイキングコース。

 

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本当は行きたいけど、さすがに車は持ってってくれません。

(定期バスはあるみたいです。タクシーも。)

時間も思ったより無いので今回は泣く泣く諦めて、

また次回、余裕を持って来たいと思います。

 

その分岐を坂方面に上がっていって、妻籠の上の方へ出ます。

 

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妻籠小学校

瓦屋根と木造の古式ゆかしさ。

僕の通ってた小学校は既に総コンクリートだったので実際に使用したわけでもないのですが、

何故かノスタルジアを感じてしまいますね。

この旧妻籠小学校は今から20年程前に最後の卒業式が終わり、

学校としての役割を終えたそうです。

今は地元関係者以外は立入り出来ないみたいで、外から眺めるに留まります。

 

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でも凄い趣を感じて、もったいないなあと思っていると、何か声援が聞こえてきました。

どうやら校庭で集落の子供達の運動会をしていたみたいです。

今でも活用されているこの建物、いつかまた小学校として生まれ変わるのでしょうか。

そうだといいなあ。

あ、観光のwebページで中の様子は見られます。

tumago.jp

 

小学校の校庭の脇を歩いていくと、宿場へと向かう道があります。

 

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ギンモクセイとは木犀のことで、よく見る金木犀の花が活き活きとしたオレンジに対し、

木犀は「初恋」「高潔」の花言葉の通り、落ち着いた白色をしています。

妻籠の神官矢崎家の庭園に据えられ、栽培されたこれだけのサイズのギンモクセイは、

確認する限り日本で最も東に位置するそうです。

このギンモクセイは1968年、長野県の天然記念物として指定されました。

 

f:id:akiranngo:20181009162731j:plain毎回思うんだけど、ああいう石って台風で飛ばないんだろうか。

いや、まあ飛ばないんだろうなあ。

もし飛んだら住んでるお婆ちゃんとか大変そうだし。気合で頑張ってるんだろうな。

 

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キキョウ

なぜかこちらで見るという。

なぜかというのも、キキョウは来る時に寄った、塩尻市の市花だからです。

ちなみに南木曽町花はミツバツツジ

キキョウはまさに日本の花って感じがします。自生株、いつか見たい。

 

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ヒルガオ。調べてる限りだとヘブンリーブルーという品種のセイヨウアサガオっぽいですね。

空色と白と丸い黄色。今日の空模様みたいな色をしています。

 

歩いてると疲れてきたので、お昼になったことですし、甘味処へ寄りました。

 

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かき氷レモン味。

ふわっふわの氷と清涼感のあるレモンが疲れてる体に染み渡りますね。

僕はレモンしか食べない。レモンが一番好きです。

 

食べ終わった後はちらちらと他を見ながら、車に戻ることにしました。

ギリギリまで馬籠に行こうか悩んだんですが、予定もあるので断念。

明日の予定が疎かになるのも悩みどころですからね。

また次回の時にして、その時は今回回れなかった妻籠城跡とかも行ってみたいですね。

 

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妻籠では稲が黄金色に染まっていました。

もうそんな季節か。アキアカネが飛び交ってました。

 

また蘭川で感傷に浸り、妻籠を後にした僕は、明日の目的地の近くの温泉まで車を走らせました。

来た道をそのまま戻り、少し下道で行けるかと思って塩尻市を走れば渋滞に巻き込まれ、

耐えきれなくなり安曇野ICから長野ICまで爆走。

降りた後に6km程走った先の日帰り温泉へ到着。

 

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大室温泉まきばの湯

Twitterで相談したらお勧めされたので来ました。

思ったより人がいて驚きました。人気なのかな。

と思って入ってみたら成程、500円で入れて温泉も使い勝手がいい。

食堂もある。若いライダーや友達連れに人気出るわ。

僕も温泉を堪能した後、笑点を見ながら牛丼を食べました。うめえ。

 

夕食も食べた後、あったまった体に鞭を打って次の目的地へと向かいました。

次回に続くんじゃ。