富山に来て山に行かない?御冗談を。
ああ、結局今回も我慢できなかったよ。
土曜日の深夜ギリギリまで行くところを決めかねてました。
候補地は八尾町大長谷の「白木峰」。北アに比べれば全国的ではありませんが、
日本三百名山の一峰で、県内でもかなりメジャーな登山対象です。
ですが2018年11月現在、白木峰は八合目登山道までの林道の補修を行っていたところ、
今夏の台風の影響で林道の補修箇所が更に発生、今年中に終わらないので豪雪地帯ということもあり、
来年に工事が持ち越されることになりました。
一応五合目のキャンプ場から登れるんですけど…林道歩きを3時間近く行うめんどくさーいルートなので今回はパスだ。
かといって立山方面はガチ雪山と化してるので無理。
今回は近所の里山に行ってきました。小佐波(おざなみ)御前山です。
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小佐波御前山。754m。
大沢野町のアウトドアフィールド、猿倉山の奥地に構える台形の山容は
市街地からでも容易に確認出来るランドマークとして親しまれる。
県内の山と比べて高い山ではないが、富山平野を正面から見下ろす飛騨山脈側の山々の中で最も手前に位置しているので、
眺望が良く家族連れから初心者まで楽しまれる里山。
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中央に聳えるのが猿倉山・御前山・小佐波御前山の山容。
中央左が猿倉山、右のピークが御前山、
見えにくいですが猿倉山と御前山の、更に奥にもう1つ山があり、それが小佐波御前山です。
今回は猿倉登山口から御前山に登り、そこから奥の小佐波御前山へ向かう、
最も一般的な「笹津ルート」で登ります。
7:10 猿倉山 風の城駐車場。
猿倉山森林公園キャンプ場は炊事場あり、駐車場も多数、眺望良し、1人1泊200円でサイトを借りることが出来るので、
この近くに住んでてキャンプを行う人にうってつけのスポットです。
キャンプする時は大体ここか有峰に行ってたなあ。
この日の朝の気温は5度。防寒に手袋をしてきました。あったかい。
階段を登って少しすると、登山道の分岐が現れます。
出発進行。
アッハイ。
そう言えば皆さんは住んでる県のツキノワグマの頭数をご存知でしょうか?
僕が住んでる神奈川の丹沢・箱根を合わせても40頭に満たない程だと言われておりますが、
富山に生息しているツキノワグマ頭数は最近の研究で概算1290頭と言われています。
(H29.3 富山県 ツキノワグマ管理計画(第3期)より)🐻
もはや自分の家から駅まで歩いて、その道中に子供に出会う確率くらいです。
ごめん適当こいた。でもそれくらいの精神で歩くべきだと思います。こと富山では。
僕は早朝は人もいないし、鈴と合わせて洋楽流しながら歩いてます。NEFFEXとかいいよ。
閑話休題。
落葉道をザフザフ歩きながら御前山へ向かいます。
猿倉山から御前山までは1時間で着き、これといった危険個所もないので地元の児童が遠足で来ることもあります。
僕も小学校の頃来ましたよ。今じゃクマ騒ぎでPTAとかうるさそうだからないのかな?
落葉道を10分ほど歩くとあずま屋と、その奥に展望台があります。
朝焼けの飛騨山脈。山座同定は難しそう。
麓に流れる神通峡と神二ダム。
ここからは少し退屈な樹林歩きです。
あーそういやこんな階段登った気がするわ、と遠い記憶を思い出しながら歩く。
しかし意外に蹴上がきつい。子供の時によく登ったなあ。
樹林歩きで唯一樹木の切れ間があるスポット。
なかなか良い風景と思いません?低山とは思えない眺望です。
確か目の前はダイジロ山で、麓に農業高校がある。
立山連峰。
尖山や来拝山ってどれなんだろうな。富山はまだ全然わからないから勉強しなくちゃ。
そんなこんなで結構急な階段を登ってると、舗装路と合流します。
そう、ここは車でも来ることが出来るらしいのです。来る方法わかんねーけど。
舗装路を右に曲がると山頂に到着します。
8:05 御前山山頂。
黒い直線の帯のように見えるのは呉羽丘陵ですかね?
下画像の手前にある山が多分笹津山ですね。特に何かある山とは聞かないです。
麓にこの間行った天湖森があります。
山頂には何やら前衛的なデザインの休憩所とブランコ、アスレチックがあります。
休憩所はヤンキー共の珍奇なイラストでデコられていますが。
何かこういう開けた山頂に寂れた鉄筋やコンクリートの建物がある風景って、ポスト・アポカリプスを感じて凄く好き。
北斗の拳ってよりもFRAGILEやNieR:Automataの世界観。
ちょっと休憩して先へ進みます。
先へは舗装路へ戻るか、休憩所の近くの鉄塔脇から行くか。
どっちにしろ舗装路と合流しますし、結構急な下りなので舗装路降りた方が良さそう。
まあ降りてみるんだけどね。
地元の人か誰かが定期的に整備しているのでしょうが、それにしても急な上、踏面がかなり狭いので転げ落ちないよう注意しよう。
特に降りた後何もなかったので、舗装路と合流。
林道歩き。そこまで長くはない。
最近川苔山で30分林道歩きしたらダレたせいか、林道はしばらく歩きたくないです。
この顕彰碑を横目に登り、少しすると小佐波御前山への登山道へ。
更に進んだ先に分岐があり、神通川東岸方面への眺望が開けます。
獅子ヶ鼻岩。
このダイナミックスケールは高山でもなかなか味わえない風景です。
神通川を挟む布尻と楡原の家々。
しんしんと雪が積もる頃に、赤い陸橋と白の木々と神通川が織り成す景色は、撮影スポットの1つにもなっています。
奥の山々もいずれは登ってみたいですね。
ここ小佐波御前山が昔は海の底だったという話をしてもなかなか信用されないかもね。
2000~1700万年前に海底火山噴火によって隆起したと言われています。
隣の八尾町ではアンモナイトや三葉虫等の海生生物の化石が多く出土しているので、八尾町が海の底だったというのは間違いなさそうです。
だとしたら富山のどこまで海の底だったんだろう。謎は深まるばかり。
落葉が終わったのもありますが、基本尾根沿いの道なので日当たりが良く、かつ風はそこまで強くない気持ちの良い尾根歩きが楽しめます。
でも陰りの部分は当然あって、雪が解け残ってることも。
もう低山でも雪が少しずつ降り始めてるんですね。
別の奇岩もあったので登って撮ってみた。
ホールドはがっちりしてるけど、風化が激しいと思うので自己責任で。
ラストスパートで泥濘が酷い階段を登っていくと、山頂に到着します。
9:20 小佐波御前山山頂。
三角点と小さな祠だけの寂しい山頂ですが、ここから更に5分程少し歩きます。
山頂から進むと、いくつかのベンチと登山道の開通の記念碑、ふるさと歩道の紹介や避難小屋、トイレが設置されています。
小屋はかなりガチガチに作られているので寒い思いをしなくても良さそう。
そしてここから更に標識に従い数分歩けば、パノラマ台。
パノラマ台と言っても物見櫓やベンチがあるわけではありませんが、樹林の向こうから立山連峰が見えます。
「小佐波」の語源は、「幼み」から来ていると言われています。
大きな立山から見たら小さな稚児、という意味から「小佐波御前山」と付けられたという話です。
嫋やかな立山は、この山を子どものように見つめているのでしょうか。
色々な意味の捉え方がありそうですが、幼き日に遠足にこの山に来た私が、
その数年後に立山へ登り、今は登山に魅入られていることを考えると、
この山での経験は決して幼くはない、大きな一歩だったのではないでしょうか。👣
(・ ‿ ・`) 無理やりそれっぽい感じにまとめやがりました。
ご飯も食べたし10:00に撤収。
ますます日が当たりカラカラの落ち葉の中を歩く。
快晴ということもあり結構登山客の方とすれ違いました。20人くらい?
しかしここまで気持ち良い尾根歩きは久々でした。
低山にもメジャーな百名山に負けない魅力があるということの証左ですね。
下りは少し急ぎ足で、早朝に寄った展望台へ。
晴れの日に神二ダムはスカイブルーに染まる。
そして、来た道ではない方向へ足を進めます。猿倉山の山頂へ。
風の城。
その昔作られた風力発電施設。
既に今は稼働していません。僕が物心ついた頃からあったはず。
富山湾、飛騨山脈、立山を360度を眺められる物見櫓として活用されていて、誰でも自由に登ることができます。
ただスズメバチがよく巣を作る場所で有名で、今回も1匹出てきました。あぶねー。
往復でだいたい10km、±550くらい?思ったより歩きました。
麓には神三ダム。
秋の昼日中にどこまでも穏やかな日差しが差し込んで眠くなってきました。
猿倉山は戦国時代の築城跡でもあり、今は史跡は残ってはいませんがその名残か、かなり階段を登ります。
500段近くあるんじゃなかったかな。降りるのでも面倒。況や登るをや。
11:25 駐車場に降りると既に登山客のものか車だらけ。
さっさと降りてしまおうと思って、春日温泉郷の方に走ります。
春日公園の隅っこにある殿様清水。
ここに建てられていた塩蔵の見張所のお殿様が気に入って飲んでいた湧き水で、
そのお殿様は水のお陰で一生無病息災であったという逸話があります。
疲れた体のデトックス効果でもと期待して飲みに来ました。
うまい。(生水です。自己責任。)
(・~・`) まろっとしてる。
本当は春日温泉に入ろうと思っていましたが、実は寄りたいところが1つあって。
風呂入ったら眠くなって絶対行けないと思ったので、今回は温泉はパス。
帰ってからお風呂に入ろうじゃないかと。
ということで午後からは別のところに寄りました。
後編へつづく。