アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2019年3月31日 七面山(表登山道)

ウス。

前回山梨の早川町に来た一行・・・もといコミュ障1人と車1台。

今回は久しぶりに登山メインです。

最近あまり行けてなかったですし、月末及び年度末ということで体内毒素の放出に来ました。

目指すは法華経信仰の聖地、七面山です。

 

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七面山。標高1,989m日本二百名山の一峰。身延山に属する。

日蓮宗総本山身延山の隣に位置し、日蓮の高弟日朗が開いた山岳信仰の山。

現在に至るまで霊山として扱われており、荘厳な仏閣が並ぶ様は圧巻。

展望台からは春分秋分の日にダイヤモンド富士が望める。

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19:30表参道駐車場に到着。

今回は夜深くから登り、夜明けを山頂で迎えようという腹積もりです。

本当は裏参道を予定していましたが、思った以上の降雨が続いたので

整備されて歩きやすい表参道に切り替えました。

 

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獣蠢く山岳へ夜間独り入るのも考え物ですが、猛獣は出会った時に祈りましょう。

ということで0:40出発です。

夜に撮影してもしゃあなし、帰りに撮った写真ばかりですがご容赦を。

 

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参道は立派な大木に囲まれた階段が、ただひたすら続く修験道です。

なので参道の写真はあまり撮影していません。

累積標高差およそ1500mくらい。

 

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神力坊

登詣者に向けてお寺が道中各所に開かれており、登山の安全を祈願して足を進めていきます。

あんまり夜煩くすると寝てる人に悪いので、静かにしときましょうか。

 

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参道にはこのような標語が掲げられています。

また灯籠には「●丁目」と刻まれており、これが50丁目まで続いています。

こういうのが定期的に見えるとモチベーションに繋がりますよね。

意外とそういう心の安寧を保つのって、登山だと大事だと思う。

 

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1:15 肝心坊

ベンチがあるので小休止。

登山開始から小雨が降り続けていたので、レインウェアとザックカバーを装着済み。

ですが思ったより気温が高すぎて(0度)、着汗してきました。

これが後々ボディブローのように効いてくる序章なのです。

 

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肝心坊を出発してすぐ雨が止み、霧の中に呑まれました。

五里霧とはこのことでしょうか、ヘッデンの光が霧で反射し、前が殆ど見えません。

霧は塊のように何ヶ所も存在して、1つ通るたびに空気が変わるのを感じました。

まるで生き物の臓腑へ入ったような心地です。

 

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霧を抜けたと思えばまた雨に変わり、山が脈動を続ける生物のよう。

体は参道を登り続け熱々、肌身一分から氷点下、加えて湿度MAXなものですから、

いくら透湿性能があると言っても焼石に水、というより暴風雨にビニール傘の如き。

 

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1:45 中適坊

服の中が汗でダラッダラです。

ここで少し帰るべきか悩みましたが、防寒具は勿論持ってきていますし、

寒さも動いていればマシになるので進むことを選択。

 

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休憩所の中には所狭しと様々な名前が。

ところてんとか食べられるみたいだけど、今回どこの休憩所もやってなかったので、

時間帯の問題?それとも日曜はお休み?

日曜こそ登詣者は多いと思うんだけどな…。

 

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道中貼ってある日蓮聖人のお言葉でこれが一番心に来ました。

身に詰まされる思い。

僕は貰ったものを何一つ返せてない気がします。

昔は一緒に観光地行くの気恥ずかしかったけど、今年はどっか一緒に行こうかな。

 

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唯一樹林が切れ、展望を眺められるスポット。

非常に眺めが良くて、帰り道の良い休憩になりました。

うーん…どれが何山か分からんです!説明を求む!

 

f:id:akiranngo:20190401163140j:plain2:35 晴雲坊

ここが最後の屋根付き休憩所であり、

麓から山頂まで、ここで大体半分くらいです。

「もう」半分なのか、「まだ」半分なのか。

 

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晴雲坊を過ぎて少し登り、標高1500mあたりから、雨が雪へと変わりました。

「あまり雪が酷くならなければ良いのだけれど。」

そんなことを考えながら進み続けます。

 

道中41丁目~42丁目では、昨夏の台風21号で登山道が崩れたらしく、

迂回ルートが作られていました。ぬかるむのでゲイターを持っていきましょう。

 

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麓から続いた九十九折りの階段も、ここで一先ず終了です。

3:25 和光門

夜闇を切り裂くような風が吹雪き、さながらRPGのラストダンジョン。

 

白い看板「参籠中、なまぐさ物は控えますようお願いします。」

 

行きは吹雪で見る暇もなかったのですが、それは後程。

 

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 階段を登って鐘を鳴らし、ここまで登ってきた者にしか到達出来ない仏閣へ足を運びました。

 

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仏閣群の中は広く遮るものが無く、暴風が舞う別世界でした。

クッッッッソ激烈に寒い。この天気でTMRごっこをしたら1分で意識がトびます。

 

お寺の中に避難するのもモラリティがどうとも思うし…と悩んでいると

小屋とテーブルがあったのでそこに腰かけ、おにぎりと温かいお吸い物を取りました。🍙☕

めっちゃ美味かったです。生き返るわ。

 

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3:40 敬慎院

実はご来光を見ようとするなら、僕のように日の出前から登る必要はなく

ここが宿坊になっているので、前日に入山して宿泊すれば良いのです。

きっとそれが良いのでしょう。

勿論肉類はご法度で、精進料理が出るそうです。

登山した後お腹空かないかなあ…」と思うので、僕にはちょっと向いてないようです。

 

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さて、少し休みましたが依然寒いので、少し境内をうろついたり、

七面山山頂までのルートを確認したりしていました。

日の出は5:25頃。早く着いた分時間が余りすぎたのです。

もう少し出発時間遅くしておいた方が良かったかもしれない。

 

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時間が近づくにつれ、灼熱色のコントラストが暗闇を照らし出しました。

この空気感と感動は登山者の特権ですねぇ。

 

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下の町には霧が立ち込めていて…。

これが天上の世界か。

 

願い事願い事…そうだ、この風景を撮るための一眼レフが欲しい。

あと健康でいられますように。あ…あと今年度もおいしいもの食べられますように。

 

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いつもの。

空を染める朱に似合うカップヌードルを食べます。

ここで「カップヌードルはなまぐさ物か」論争が始まります。

 

 

 

《結論》

カップヌードルは乾物なので生臭くない。Q.E.D.

 

 

 

…と冗談はさておき、「参籠中の飲食」を「宿泊中や敷地内においての飲食」とすると、

展望台も敷地なのでしょうか。その辺が難しい…。

魚介類や謎肉無しのカップヌードルを売ってない日清が悪いんだ。

 

吹雪の中食べるカップヌードルは本当に涙がこぼれるほど旨かったです。

日清さん、ありがとう。

 

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この風景を見せてくれた神様と日清食品へ、一仕切りお祈りした後

最後に向かうのは七面山の山頂。

寒さで雪が締まり、ツボ足で十分問題ない範囲です。

でもバーンで滑るのでアイゼンは履きましょう。

 

木々の中からの朝日の優美さは息を呑むほどでした。

 

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道中から望める大ガレ(ナナイタガレ)。

1600年代以前に崩壊して出来た斜面だそうです。

何かご近所さんだからか、南アルプスにありそうな地形ですよね。

朝日に照らされてほんのり赤に染まる様が、豪快な地形にマッチしていました。


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陽光はどこからか流れてきた雲で隠れて、また雪が降り始めました。

 

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アニマルトラッキングターイム。

シカが2頭、ここで出会ってどこかへ一緒に行ったそうです。

七面山のシカは人馴れしてカメラマンが大喜びだとか。

僕は夜中車で見かけたっきりでしたけどね!ケチ!🦌

 

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また、リスの足跡もありました。🐿🐿🐿(←リスに見えない)

爪の跡まで残っててかわいい。

リスは木々の間を走ってるところを見かけました。

クマは幸いにも見かけませんでした。ほっとします。あちらさんにも悪いしね。

 

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そんなこんなで歩いて、山頂へ到着したのが6:15
四方を樹林で囲まれて展望のない山頂でした。

 

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ここから希望峰というピークがあり、そちらでは木々の切れ間から

富士山の展望が良いとのことでしたが、往復1時間。

今回ここまでで十分満足してしまったので帰ることにしました。

 

その後は写真を撮りながら休憩したりして、10:00に駐車場に到着。

 

 

 

下山後温泉は南アルプス生態邑:「泊まる」ヘルシー美里

昔の旧校舎を改築した施設に隣接する、日帰り温泉

広々とした浴場ではありませんが、硫黄臭や温度が程よく疲れを取ってくれる

良いところでした。

 

温泉でゆっくり寛いだ後は身延町立図書館早川町の郷土資料を読み耽り、

一通り終わった頃には閉館間際。

 

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帰りは本栖湖山中湖を経由して、山北町から帰ることにしました。

もとすこのふじさんはせんえんさつのあーだこーだ。

やっぱり本栖湖の富士山、綺麗っすね。

風が吹いたのかいい感じに雪が飛んでました。

 

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本栖湖から渋滞気味でしたが、ギリギリ間に合った山中湖にて。
今日は人が少なかったです。何でかな。

 

帰りはゆっくりしようと思ってたら山北町の裾野バイパスが猛烈に混んでました

あそこ逃げ道ないから混むとどうしようもないんだよね…。

もっとうまい下道を考えることにします。

 

とまあ、クタクタになった1日でしたが、非常に充実感のある土日を過ごせました。

またいつか行くことがあれば、早川名産のぶどうワインを買ってくることにします。

 

 

 

じゃあな!