僕は記憶力がない。
「何を突飛なことを…」と思われるかも知れませんが、
これは自他共に認める僕の短所であり、生涯治しようがないと半ば諦観している悩みです。
主たる原因は、生来の注意不足や集中力散漫によるものなのですが
ことさら人の顔や名前を覚えたり、街にある建物を覚えるのが苦手なのです。
香川照之さんくらいにインパクトのある顔であればそうそう忘れはしないので、
日本国民全てあれくらい、特徴のある顔になってほしいと常々思います。
記憶力というものは日常生活のみならず、登山やサバイバルにおいて重要な要素です。
朧げな記憶で山道を歩くことはストレスにもなりますし、
そのストレスが大きな怪我を連鎖させるケースも珍しくない。
(もっとも、中途半端な記憶が思わぬ事故を誘発するケースも多々ありますが…)
僕としても20代で物忘れが激しいだのジジ臭いことをぼやきたくないのです。
ということを考えていた時に、スカウト活動時代の「キムス」をふと思い出しました。
キムス、もとい「キムス・ゲーム」とは観察力・記憶力を鍛える訓練で、
適当な数十個のアイテム(ナイフやマジック、コインなど)を1分間にどれだけ記憶できるか競う遊びです。
これが大の苦手で、しかもこういう類の遊びは大抵、班対抗勝負になるので…。
僕が率いていた班の子には、今更ながら謝りたい気分です。🙇
キムスの由来は、ラジャード・キップリングがノーベル文学賞を受賞した小説
「少年キム」にあります。
政府諜報員で宝石商の男が、キムの歴史民俗に明るく機敏な点に目を付け、スパイ訓練を行います。
内容は色々な宝石を1分間見せて、どのような宝石がどれだけあったかを問うもの。
最初は全然ダメダメだったキムも、幾回かの訓練で観察力と記憶力を鍛えられ、
その後優秀な諜報員として活躍した、という話です。
物語はあくまで物語、そう上手くいくかは定かではありませんが、
こういった訓練で記憶力が鍛えられるなら是非試したいところです。
でも僕のように独り者だと、まずキムスのアイテムを自分で揃えることになってしまい、
前提から全く意味のないことになってしまうという、悲しい事実に気づいてしまいました…。
ところで、自由の女神の冠のトゲトゲは何本でしたか?
なんてね。
あー、山に行きたい。