混み混みしていない場所が好き。
奥多摩。今や関東圏を代表するアウトドアフィールド。
都心からのアクセスの良さで、キャンパーや登山者、釣り人に親しまれる奥多摩だが
そのビッグネームの裏には、幾多の時代の足跡が残されている。
今回は奥多摩の隆盛に残された地を見て回る旅に行ってきた。
というわけでね。
7:00に水根に車を停めて、バスで奥多摩駅に到着。
久々に奥多摩にやってきた感じです。言うて1ヶ月半ぶり。
今回は奥多摩の古道歩きと、廃村集落へ向かうことにしました。
最初に向かうのは古道、その名も通称「奥多摩古道」です。
ヒナギク。
そのまま何の捻りもない名前ですが、某有名オブローダーが暫定的に命名した名前は
今やオブ界隈では知らぬ人がいない程。
古道の多いこの地にして、敢えて「奥多摩」と名付けた理由は、
この道を一度通った者ならば何となく同意したくなります。
その道は駅からほど近い場所にあり、そこまでの坂道で氷川の街並みを眺めて進みます。
氷川小学校のグラウンドでは、早く登校した児童がサッカーやかけっこをして遊んでました。
「駅からほど近い場所」。
奥多摩駅のそばには、降りた方なら一度は見たことのある「アレ」があります。
奥多摩工業氷川工場。
戦後の奥多摩を支え、今でも町の重要産業となる石灰石の化工工場。
日原川流域にズシンと巨体を構えるプラントは、一見すると個々のバラバラな建築物を
半ば無理矢理に繋ぎ合わせた、歪な要塞を思わせる風体をしています。
この工場の敷地内には、もちろん一歩足りとも余所者が入る余地はありませんが、
例外が1つあり、それが今回通る奥多摩古道なのです。
というのもこの道は都道扱いで、工場を貫通して除ヶ野(よげの)へと続いており、
地域への通行利便性からか、この区間の通行は許可されています。
そもそも工場が出来たのが後だから、それも当然っちゃ当然か。
普段立ち入れないプラントを特別間近で観察できるスポットが、この奥多摩古道なのです。
NieR:Automataの工場廃墟とか、天空の城ラピュタのパズーがいた鉱山を思い出します。
止めどなく轟音が流れ続ける。石灰石を細かく砕く音でしょうか。
時折ブシューッと鳴るのはエアコンプレッサー?
アニメにありそう。(貧弱な語彙力)
現代の奥多摩を象徴する工場を抜けると瞬く間に、
風そよぎ小鳥の囀りがリズミカルに響く古道の風情が顔を出します。
この日は終日暖かく、とても一週間前に関東で降雪があったとは思えませんが、
僕は杉林の中にいたので、思ったほど暑さを感じませんでした。
古道歩きって良いですよね。
取り立てて目を引く何かがある、良い景色が見えるとは限りませんが、
だからこその良さというものがあります。いぶし銀です。
豚骨ラーメンが好きだからと言って、朝昼晩は食べられないでしょう。🍜🐖
僕なら朝は焼き魚か目玉焼きにしてもらいたいですよ。🐟
道中に鎮座する石仏。
宝暦三年(右)二□之神(左)と読める。左は掠れ過ぎてて自信ねぇな。
奥多摩×宝暦と言えば有名なのが宝暦箱訴(はこそ)事件。
4駅離れた川井駅の河川上流に大丹波地域があります。
近隣を含めた多摩地区は田安領で、ある日突如年貢を増税すると告知しました。
増税されると日々の生活が行きゆかず、百姓を続けられなくなる農民達は
減税の陳情を続けましたが全く聞き入れて貰えず、
宝暦12年に箱訴(直訴の為、目安箱に訴状を投函すること)に踏み切ります。
しかし税を課している側としては面白くない話。決起した農民達を捕まえに動きました。
厳しい取り調べが行われ、大丹波では特に重罰を受けた者が多かったそうです。
11名が牢の中で息絶えたこの事件は、今でも郷土資料として残され、
石碑が同地域の輪光院に供えられています。
奥多摩工業曳鉄線。
鉱山用無人トロッコ。鉱山から石灰石を詰めて、工場側へ届ける為のものだとか。
動いている時間帯があるようで、今日は朝早くだったからか、空っぽのままだった。
僕もあれに乗ってどこか行けないかな。ドナドナ。🐄
近くには沢が流れています。
これが除ヶ沢。
除ヶ野は除ヶ沢から出た地名で、「よげ」とは地勢峻嶮で通行困難なところ、
除ヶ野はその沢の傍にある野の意。
『奥多摩町誌 民俗編』
沢登りを目的にここに来る方が結構いらっしゃるみたいです。
尤も下流でワサビを栽培しているので、迷惑はかけないことを心掛けたいですね。
奥多摩駅からさほどの距離も離れてませんが、森の木々が喧噪を吸い取ってくれるのか
非常に長閑な散歩を楽しめます。
誰ともすれ違いませんでした。朝早かったしね。
「いっぱいいるじゃねーか!」って思ったけども、
一株に1つの花しか咲かないのと、静御前が語源とかあーだこーだ。
ニリンソウも咲き始めてました。
高尾山に見に行こうかなと思ってたけど、思わぬところで見かけましたね。
奥高尾縦走なー。また行きたいけどなー。うーん。
古道はそれほど長くなく、全長は2kmにも満たない程。
むしろこれくらいの短さが、日々の運動にはちょうど良いのかもしれない。
皆さんの家の近くには、散歩コースありますか?
祠が神々しく輝いていたので思わず足を止める。
「きんのはっぱ」と「ぎんのはっぱ」置いたらポケモン出てこないかな。
古道が終わり、除ヶ野に到着。
車道歩きで駅へ戻ります。
シロヤブケマン?
ケマンってまじまじと見ると、鎌首持ち上げたヘビみたいですね。
あとピントが合わないことが多い。僕だけかな。
ナミテントウかな。
ちょこちょこ歩いてかわいい。ミニクーパーを買う人の気持ちも分かる。
道中の日原川に開かれた氷川国際ます釣り場。
橋の上からマスが見えました。
1年ほど前に来たことがあるんですよ。2回くらい来てる。
マス釣り楽しいけど、もうちょっと安くなればなあとみみっちいことを思ったり。
橋向こうへ渡れば駅へはもうすぐ。
若いカメラマンが日原川と工場の写真を撮影しているのを横目に通り過ぎる。
9:00頃に奥多摩駅に到着し、1時間半ほどのウォーキングも一先ず終わり。
この後も色々回ります。後半へ続くぞい。
ばーい。