珍道中。
前回の続き。
下り谷を抜け、石畳の下り坂を降りていく。
道の途中には木々の切れ間があり、時計を見ると5時近く。
暖かな陽光も二ツ森山方面へと沈みがかってきました。
九十九折りの石畳を降りると、県道7号線と合流。
この辺りは大妻籠。
隣の妻籠宿に比べると、今も昔も大きい宿場町とは思えないが、
一説によれば『おく(奥)つまごが訛って、おおつまごになった』。
多くの古き風を抱える長野県内において、最も古い民家の1つの
『藤原家住宅』があり、県宝として保護され、誰でも自由に見学ができます。
大体400年前に建設されたとか…民家ってそんな保つのね。
と、街並を眺めながら歩いていると後ろから何か変な音が。
・・・ん?音が大きくなってる?トレランマンかな?まったk
Σ(・‿ ・||i;)!?!?!?!?
の、野良犬かぁ!?
と思いましたが、それにしては様子がおかしい。
草の匂いを嗅いだり、マーキングしたり、脇目も振らず歩いていく。
まるで何かコースがあるような歩き方です。うちのうろちょろ犬とは違う!
地元の方に伺ったところ、この柴犬は「おまわりさん」なんだとか。
どうやらこの地域ではサルやイノシシなどの獣害防止のため、
近くの家で飼われている柴犬に、日々のパトロールを任せているようです。
お仕事で忙しいようで、僕のことなど全く意に介さない。
たまに振り返って「こっちが妻籠だよ~」と言いたげな顔をしています。
まるで名所案内をされているようで面白い。
追い抜いたり追い抜かされたり。
もちろん地域犬なので僕から撫でたりはしません。
彼女(雌です)からも近づいてくることはありません。
それくらいの距離感がちょうど良いのです。
大妻籠から妻籠宿に伸びる坂道に差しかかると、ガイドは終わり。
来た道を走り去っていきました。
思わぬ出会いがある、一期一会こそ旅の本分ですね。
神明(しんめい)に入ると、蘭(あららぎ)川の流れが近くなり、
いよいよ妻籠は目と鼻の先。
この長いようで短かった小旅行も終わりを告げます。
あ~終わっちゃう終わっちゃう…。
そう思うと木曽路を続けて歩いてみたくなる。
この山道を辿って、どこまでもどこまでも。
抗いも空しく今日の旅路はここで終わりです。
3時間ぶりの妻籠宿は、昼日中の喧騒が嘘のように静まり返り、夕闇に行燈が灯る。
絵に描いたような宿場町の風景がそこにありました。
次は冬の妻籠にも来てみたいものです。
雪がしんしんと積もる頃、暖かい蕎麦でも食べてみたい。
寒いかな…?寒いだろうけど…。
夕方の妻籠宿もそれはそれは綺麗で。
是非1時間ほど練り歩きたかったのですが、スマホの電源が切れそう。
車に戻って、温泉に入りに行きましょうか。
1日かけて南木曽の魅力を体験しましたが、まだまだ魅力尽きぬこの地。
次に来る日がとても楽しみで仕方がありません。涙ながらに暫くのお別れです。
あ、温泉はGW中で営業時間が変わってて、入れませんでした。
(・‿ ・💢)はあああああああああぁぁぁぁぁん!!!!!
結局半日だらっと運転して、明け方に温泉に寄って、家に戻ってきました。
これにて南木曽の旅はおしまい!