やぁ。
毎度『季節が経つのは早いですね』の決まり文句で始まるのが飽き飽きしている。
7月に入り、夏至の末候『半夏生』(はんげしょうず)を迎えました。
そろそろ笹に願いを吊り下げる時期になってきましたね。
7月初旬となりまして、1番目の山は白木峰です。
1ヶ月半前はちらほら雪に埋まっていましたね。
先日ようやく、杉ヶ平キャンプ場~8合目駐車場を繋ぐ林道大谷線の工事が終わり
車の乗り入れが可能になりました。
富山の登山者が待ちに待った開通、ここ数日は駐車場が満車状態です。
弥陀ヶ原では見なかった新顔も見え始めました。
ウラジロヨウラクはこの時期タニウツギと赤色を競い合っています。
その脇ではアカモノが小さく寄せ集まっていました。
駐車場から40分でこの景色が見られるなら、片道1時間のドライブも
気分が上がるというものです。
木道のそばでは、多くのイワイチョウが咲いていました。
見たことない花だなぁと思っていたのですが、見覚えのある丸い葉っぱ。
そうか、君がイワイチョウだったんだな、と。
数は多くありませんがツマトリソウもちらほら咲いています。
法曹のバッヂにありそうな凛とした顔を見せてくれました。
分厚い雲で覆われて、あいにく晴れ間はありませんでしたが
それでも最近の雨の鬱屈した気分を払拭しようということなのか
多くの登山者を見かけました。
昼ご飯を食べてぶらぶら散歩。
雲に遮られて白山どころか金剛堂山も見えませんが、
無風で暑さも感じず、穏やかな心地です。
そして今の時期の亜高山帯の顔、ニッコウキスゲ。
しかし、思っていたより株が少ない気がします。
そういえば昨年は林道工事の為、登る人が少なかったそうですが
例年にないくらい多くのニッコウキスゲが見られたとか。
一説ではニッコウキスゲは豊作の翌年、株が少なくなると言われています。
ブナのマスティング(masting。豊凶現象。)と似たようなものですかね。
まあ咲いていない株も多かったので、もしかしたら僕の思い過ごしかもしれません。
それはともかくとして天空の草原を歩き、
前回は行けなかった浮島と呼ばれる大きな池塘へ向かいます。
道中の荒れ地や池塘の端っこを覗いてみましょう。
極端にリンや窒素が少ない土地では、大きな植物は育てません。
そういったところで、我先にと根を伸ばすのが
虫を捕らえて養分とする食虫植物、モウセンゴケです。
ニッチなところに滑り込んでいる分、土地が栄養豊富になると真っ先に
生存競争から叩き出されてしまう、かわいそうな子。
また、そろそろ見頃を終えるフモトスミレも久々に見かけました。
僕が好きなミツバオウレンも、そろそろ来春になるまでお別れになりそうですね。
今年はたくさん見かけました。来春もまた楽しませてくれよ。
この青い虫は目立って仕方なさそうな見た目をしておりますが
何だか枝にしがみついているのが絵になってました。
なんという名前なのでしょう。
とまあ、20分くらい歩けば浮島へ到着します。
白い頭がゆらゆら揺れる。
6月からのワタスゲシーズンに間に合ってよかったです。
多くの人がここで休憩中。山頂よりも羽虫がいなかったので、
僕もここで食べれば良かったなとちょっと後悔。
中央にぽかんと浮かんだ島。そこから地名が付けられたのでしょうか。
ウグイスやカエルの鳴声が響く中、少し休もうかとも思いましたが、
少し雨雲の気配がして引き返すことにしました。
レインウェア被れば済みますが、近頃季節柄にわか雨が多いので要警戒。
今時期は、レインウェアと別に傘くらい持つべきでしょうか。
少しずつ谷底から霧が上がってきて、あっという間に真っ白けに。
少し速足で林道を降りて帰りました。
そろそろ高山帯の登山シーズン、ワクワクします。
それでは、またどこかの山でお会いしましょう。