ウス。
すっかり冬めいてきたと言うのでしょうか、とても寒々しい。
県内の某所では、水道の水が一瞬で凍っていく過冷却現象も起きたそうです。
そんな寒さだと路面もちらほら凍結して、2週間山に行けませんでした。
いやぁ、坂道で車がスタックしかけた時は久々に嫌な汗が出ましたよ。
今回向かうのは、岐阜の端っこにある天蓋山(てんがいさん)です。
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天蓋山。標高1,527m。飛騨高地に属する。
『天蓋』とは仏像の頭部に吊るす笠のことで、遠くから眺めるとその形のピークが
見えることから、いつしか山の名前として呼ばれるようになった。
アクセスの難はあるが眺望は非常に優れ、県内外から人気の高い山である。
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7:50 神岡町森茂(もりも)、山之村キャンプ場に到着。
茅葺屋根の屋敷が見える、山深い飛騨の奥地へとやってきました。
集落に入った途端、フロントガラスにド東日が直撃。
前が見えねェ。
山之村という村は存在しません。
岐阜北東端に位置する神岡町森茂、下之本(しものもと)、伊西(いにし)、
和佐府(わさふ)、打保(うつぼ)、瀬戸(せと)、岩井谷(いわいだに)の7集落の総称です。
神岡町中心地から県道484号線を縫い走ること20km以上の天空の里。
残したい日本の原風景として、岐阜で唯一『にほんの里100選』に選定されています。
厳冬期は2mの雪が降り積る『特別豪雪地帯』。
一昔前までは、1年のうち5ヶ月は閉ざされた陸の孤島だったそう。
富山の利賀村にも勝るとも劣らない、山奥の秘境。
といってもここ数日快晴が続き、雪も照り続く陽光で解け出しています。
数回の渡渉。落ちないように気を付けよう。
山之村キャンプ場は、子供の頃来たことがあるんだとか。
全然覚えてないけどね。
1100m地点から傾斜がついてきて、足元もガチガチに凍ってきました。
軽アイゼンの爪が氷をバキバキと砕く音が心地良いんじゃ。
道中開けた雀平で小休止。振り返ると薬師岳と見慣れぬ山々。
北ノ俣岳と黒部五郎岳です。その奥は水晶岳とかそのへんだろうか。
というのも僕の住むところからは、薬師より向こうは里山に隠れて見えないので…。
なかなか会う機会がないんですよね。
つーか、黒部五郎岳が素晴らしすぎる。来年行きたいね。
9:35 天蓋山山頂。
白山の麓が真っ白の雲海に呑み込まれています。
あぁ、早朝登山の醍醐味。
ちなみに以前、白山と立山の背比べの話をしましたね。
白山と立山に樋をかけたら、ちょうど有峰湖の上を通るのですが、
ここから眺めると壮観でしょうね。
穂高連峰はこっちからは少し見えづらい。
来年はあっちの方にも手を出してみたいですね。
毎度穂高から見てるので、あまりそういう印象がなかったのですが
こちらから見ると笠ヶ岳、とても麗しいですね。気品がすごい。(ボキャ貧)
そしてこの標柱の字は、女性で世界初のエベレスト登頂を果たした田部井淳子さんが
直筆で書かれています。
田部井さんと言えば、冥王星の山の名前が『タベイ山』になりましたね。
まず登山道まで4,800,000,000km。
世界一の難関峰、誰か一緒に行きますか?
360度パノラマの山頂。
80km以上離れた富山湾も見られます。
ということで本日は海を見てシーフードヌードル。うめぇ。
寒空の中、来年の干支が『子』なのでネズミを作ってみました。へたくそ~。
というのも、薬師岳の方角には大鼠山(おおねずやま)があるのよ。
新年に行きたいけど、豪雪の1月とか悶絶ラッセル地獄になりそう。
その後は風が出てきたので下山することに。
帰りに足元を見ると、なんとツチグリ。木の実じゃないです、キノコです。
湿度が高くなると開くんですよ。
雪がいっぱい溶けたので、いそいそと開いたのでしょうか。
何気に見たことなかったのでとても嬉しい。
山之村の特産、寒干大根なるものに興味があったけど、
ちょっと用事もあって早々に帰宅しました。
いつか郷土資料とか読み漁って一日中集落を見て回りたいな。
秘境の魅力溢れる良いところでした。また来よう。
じゃ、またどこかの山で。ばいばーい。