何かかなり放置してた集落探訪。
前回の続き。
折戸集落からは五位尾集落へと繋がる、町道折戸五位尾線が延びている。
折戸から出発すると、程無く家がポツポツと見えてくる。
中村(なかむら)集落。
現在の世帯数1戸、人口2名。(上市町H30住民登録人口)
町誌では次のように語られる。
早月中村
承久三年(一二二一年)承久の変の結果、幕府のために、
順徳上皇が佐渡へ移られることになったが、随従していた右近某が、
今の滑川市三ヶから早月川を遡り、溪谷中土地が平坦で、
肥沃な地と思われた当地に、住みついたといわれている。
(『上市町誌』)
町文化財のタテヤマスギの巨木『中村の大杉』は樹齢約550年と推定される。
立山黒部アルペンルートで紹介される『仙洞スギ』に匹敵する大木だ。
暴風雪から集落を守るために植樹された並木道があったみたいだが、
いつしか神社仏閣の建材として次々と伐り出されてしまい、
残されているのはこの1本だけとなっている。
集落には白萩小学校に属した日進小学校が明治9年設置されたが
明治18年上市町中心に近い湯神子の興原小学校(後の白萩西部小学校)と併合、
後に通学利便性からか興原小学校から分離して蓬沢・伊折・折戸に簡易小学校が
設立したため、以降当地の学童は隣の折戸へ通学したと見られる。
村社は村巻社。
スギ林の中にあり、陽光とのコントラストが美しい。
境内で縄文土器が発掘されたとのことで、当地に住んでいた先住民の
歴史の古さが垣間見える。
以前は村一同で祭りも開かれただろうが、今では喧噪から離れて久しい。
ここから五位尾までの道は自動車では厳しそうだ。
また機会があれば再訪したい。