ウス。
この大雨で新穂高・上高地方面が通行止めになり、復旧の見通しも付かぬこの頃。
8月から穂高を中心にした山行を予定していた僕の心が壊れてしまいました。
さながら心境は『プラトーン』のジャケ写。
ここ数週間のうんともすんとも言わぬ曇天。
中途半端に山に行っても鬱屈した心持は晴れぬ、と思い今回は県西部ドライブ。
1つ目の目的地は県西部でも特に土地勘の薄い小矢部市。
その山奥、石川県境にある小矢部市立北蟹谷(きたかんだ)小学校内山分校。
多くが取り壊され風雪で潰れていく中で、今でも残る数少ない木造校舎の1つ。
戦前からここに学校はあったが建て替えたようで、現存の校舎は昭和28年竣工。
玄関を見上げると『内小』の文字。
見た目からもそれなりに大きな学校であったことが伺えます。
昭和54年近隣の小学校と同じく北蟹谷小学校に統合され、学舎としての役割を終えました。
現在は同集落の公民館として用いられているよう。
校庭の片隅には当時子供達が遊んだであろう遊具がどこか寂し気にしていました。
集落の上には戦国時代の史跡松根城址があり、
かつて越中佐々成政と加賀前田利家が対立した際に最前線となった地です。
数百年前の舞台に浪漫を感じますが、大雨に振られたため今回は避難。
土砂降りの雨はすぐに去ったようで、望外の晴れ間を見せてくれました。
車を走らせていると特徴的な建物が見えてくる。
クロスランドおやべに来るのは20年近くぶりだったかな?
定期的にヘリコプターのフェスティバルが催されているので
その筋では結構人気のあるところ。
大体8月の末頃にやってます。今年はやらないかな…?
さて、今回の主目的は氷見市の山中にある神代(こうじろ)温泉。
温泉好きにはそれとなく名の知れた秘湯です。
不定休なのに確認せず来ちゃいました。
おずおずと入ると、受付の女将さんが屈託のない笑顔で迎えてくれます。
この温泉は豊富な鉄分と塩分を含んでいる為、底が見えない茶褐色が特徴。
僕ね、鉄泉が大好きなんですよ。伊香保が初めてだったんですけど、それから。
ものの数分で体温が高まっていき、湯冷め知らず。あー、こりゃたまらんな。
扇風機で涼みながら、話好きの女将さんと温泉談義をする。
どうやら昭和25年の戦後復興時、日本各地で石油を掘り当てるブームがあった際に
当地を掘ったら温泉と天然ガスが噴出したよう。
数年後旅館を開業。バスも訪れて大変賑わったそうです。
現在は旅館を閉め、日帰り温泉施設としてのみの営業をしておりますが
SNS等で評判を集め、県外から来る若い方も多いんだとか。
近くの三方峰峠でヒルクライムする方も繁く訪れているようです。
地元の方にも愛される温泉。末永く残って欲しいものですね。
帰り際には富岩運河環水公園をブラついて。
28年でようやく知ったのだけれど、ここ釣りできるみたいだね。
ふとしたところから新たな発見があるものです。
大雨で出かけられもせず気分も塞ぎ込みそうになる昨今ですが、
だからこそ自分の住んでいる町の良さを再発見できる機会かもしれません。
今まで素通りしていた1本の路地裏にも、楽しみを見出せたらな。
そう思ってポジティブに生きたいですね。
それでは~。