毎日過去山行。
今まで2度行こうと思い、どちらも頂へ立てなかった山があります。
それが大猫山。
年に一度はこの辺りに来ているのですが、遠望するに留めていました。
虫も息を潜める頃には、馬場島からのアプローチも苦にはならない。
夏は暑いしオロロに襲われるしで散々。やはり秋がマストシーズン。
この道も砂防工事が進んでだいぶ整備されてきた。
もしかしたら近い将来、登山口まで車で入れるようにするのだろうか。
出だしから早月尾根が優しく見える急登の始まり。
まぁ3時間で済むので、早月小屋の少し先辺りくらいまでの距離。
個人的にはブナ立尾根とタメかな。日当たりも良くて暑々。
しかし息を切らして振り返れば、群青の刃が屹立している。
開けた笹原の大猫平で一息付けば、先行者の姿も見えてくる。
石川の方で、無雪期の県境全てを歩くのが目標だとか。
富山で同じことをしている人がいたが、岐阜辺りは藪も密で苦労しそう。
この大猫平は紅葉のスポットとして秘かな人気を誇っている。
流石に遅すぎて草木も冬籠りを始めているが、剱の展望が開けてこれはこれで。
3年前は山頂までべったり雪が張り付いていたが、この秋は稀に見る高温で
北アルプスの前衛というのにささやかなこと。
持ってきたアイゼンどころか、トレランシューズで十分だったかも。
意外と下から見るよりもしっかり登るが、
頂に近づけば再び大猫平のような笹の平原となる。
笹を分ければ、猫が三匹揃う魅惑の景色!
僕はどちらかというと犬派だが、山に関しては犬猫の区別なく大好きだ。
市街地からでも遠望できる毛勝三山の峰々も、手に届きそうな近さだ。
1年前に猫又で見た朝焼けが思い出される。
長大な西大谷尾根の末端、クズバ山にも来秋になれば訪れてみようか。
行く暇もないほど魅力的な山が多いのは喜ばしいことだ。
山頂はどこがどこだかいまいち判然としなかった。
多分この辺りだろうと藪っぽいピークに折り合いを付け、開けた草原で昼食とした。
草原から下山しようとした所で、石仏に拝む。
登りが辛かった分、下りも転げ落ちそうな傾斜だ。
笹を掴み下り続ける。何人かとすれ違う。
途中にクリタケが生えていた。今年も何だかんだキノコ狩りは行かなかったな。
来年は白山の麓にでも山旅してみようか。
結構億劫な道ではあるが、景色の良さだけで釣りが来る。
また紅葉が美しい日取りに訪れてみよう。
下りは無心だ。走り下りる。同じような景色が続いてたまに混乱する。
14:30頃には駐車場に到着し、気になっていた麓の大きな温泉に一浴して帰路へ。
喉につっかえていた小骨が取れた清々しい気分になった。
おわり。