前回の続き。
5:00前起床。深夜はテントも揺れに揺れたが、穏やかな朝だ。
朝食を取って諸々を片していく。
今日を告げる眩しい朝日を迎える頃、出発の準備が整った。
本日も晴天なり。楽しい1日のスタートだ。
早速快適な登りで始まる。
尾根に沿うこと20分ほどで、露出した岩肌横の急傾斜が出る。
ここをダブルアックスで一息で抜ければ、雄山とご対面だ。
Co2400からはカチカチに叩かれた緩やかな登り。
ここも幕営に向くだろうが、風抜けはお察し。
今度来たらここでイグルーも面白いかもしれない。
軽く休憩した後、魅惑の雪稜を堪能する。
シャバシャバ牛乳状態になる前にさっさと抜けきりたいが、
ここでしか見られない景色に足も止まりがちだ。
ここに来なければ決して見ることがないだろう、
ロープウェイ上の景色をお届け。
広大な雪原にシュプールは見られない。まだ誰も落としてないのか。
東面の雪は比較的落ち着いている。
同日twitterのフォロワーも東面滑降を楽しんでいた。
技術がある者にとって、人の少ないこちら側は格好の遊び場だろう。
2681.2を越え、ジャンクションピーク 雷電峰(らいでんほう)が見えてくる。
道中の岩は時折浮くが難所はない。
向こう側の降りを考慮して適当な所でクライムダウン、
トラバース気味に上がる。
雷電峰を抜けると猛烈な西風に叩きつけられた。
時折振られる程の勢いだったので耐風を交えながらの牛歩となり、
もう既に見えている社に着くまでに30分以上を要す。
社の影で一服して山頂に無事到達。
本年度の無事を祈った。この時にカメラの無事も祈っておけばよかった。南無南無。
爆風の切れ間から、歩いてきた東尾根と峻麗のブルーバックを眺める。
もうこの景色も暫く見納めだろう。一抹の寂しさを覚える。
雄山というトップバッターの裏に隠れてはいるが、立派な一軍選手。
ずっと吹き付けられるのも困るので、足早に下山する。
幸い標高を落とせば浄土が風を防いでくれたので、下部は無風快適。
一ノ越まで下りると、始発組の集団が行列を成していた。
当日だけで200人は優に越えていただろう。
いやはや、静寂無人の東尾根とはまさに対照的な場面だった。
これだけの人を惹き付ける立山のポテンシャルに改めて驚かされつつ
文明の力におんぶに抱っこされながら、爆睡して麓まで下りていった。
おわり。