殆ど山に行けてなかった…もとい山に行く気が出なかった今冬。
年末年始の抱負は雲散霧消し、下手糞なスキーの練習にも熱が入らず。
片手の指で足りる程の山行で春を迎えてしまいそう。
そんな中、代休が快晴だったので去年から気になっていた山へ行きました。
何ともヘンテコな名前の和佐府(わさふ)ゼッコです。
07:00発。
当初予定していたルートはここ2週間の高熱で藪の壁と化していた、ショック。
仕方なく6km弱の林道歩きを経て、有峰への入口 飛越トンネルへ。
珍妙な名だが、和佐府とはこの山の辺りの地名。
ゼッコとは「絶高」や「頭(ズコ)」つまりピークのことだとか。
繋げると「和佐府の山」という意味で、この辺りの主なのだろう。
地図に名前すらないが、なだらかで景色も良くスキーに向いた斜面も持ち、
最近じわじわと人気が高まっているそうだ。
平日だから誰も居らず、前日の降雪で思いがけずバフバフの楽しい登りだ。
少し登ればこの景色。
霧氷と一緒にこのペアショットが楽しめる。ええじゃないか。
当日は黒部五郎岳へスノーシュー1泊で向かっている人がいたらしい。
霧氷と緩やかな広尾根が、どこか北八ヶ岳を連想させる。
3月にもなってこのような景色を楽しめるのは、やはり山に於いてだけ運が良い。
間もなくささやかな標識のある頂に到着する。
青空に映えた白の薬師を見たくて訪れたが、聞きしに勝る良い山だ。
飛越国境の山々は有名ではないが、名の知れた山に決して劣らない魅力がある。
コーヒーとチョコレートケーキより、断然番茶と煎餅派閥。
ここで茶を沸かして日本の原風景に心寄せるひと時を過ごしたい。
個人的にお気に入りの一枚。
こちら側からの笠ヶ岳は天嶮の様相を見せてくれる。
腰でも据えてのんびり…としたいが、実は灼熱で雪解けが早いのなんの。
名残惜しいがこの景色を焼付けて山を下ろう。
絵になる雪原に別れを告げる。
いつかここでテントでも張って、思う存分スキー練習をしてみようかしら。
もう所々デロデロ、ワカンで滑りながら降りていく。
全く、春を通り越して真夏日を感じさせる照り返しだった。
地雷原を思いっきり踏み抜きながら、トンネルに戻ったのは11時前。
しかしここからがまた長い、6kmの帰り道。
幸い踏み抜くほどでもないが、雪崩そうな斜面をそろそろ早歩きする。
まだかまだか、と往路より更に長く感じる道を下ること1時間半、
12:30車に戻って来て一息。
久しぶりの登山、というか大半は林道歩きだったが
下がり調子だったモチベーションに活を入れることが出来て良かった。
これから春の山もある。
休んでいる暇はない。出来ることを出来るうちにしていこう。
おわり。