アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2022年2月19~20日 黒百合ヒュッテ

八ヶ岳黒百合ヒュッテはアクセスの良さと通年営業で、

冬でも非常に人気が高い山小屋です。

 

稀に見る大雪の昨冬、雪を用いたビバーク技術を向上させたいと

スノーマウントを作って泊まってきました。

 

渋の湯スタート。

八ヶ岳山麓の道の恐ろしさは雪ではなく凍結。

下手な豪雪地帯よりスリリング…。

渋の湯に駐車して黒百合ヒュッテまで1時間半。

 

黒百合ヒュッテ。

昼頃に到着して指定料金を払う。

今から作るのはスノーマウント、要はかまくらのこと。

海外ではキンジー(Quinzhee)とも呼ぶ。

 

厳寒や悪天の際、快眠を求めたいならテントよりも断然スノーシェルターだ。

格段に温かく風に強い。外が地獄でも中は天国。

 

しかし最大のネックは「疲れる」こと。

雪洞は場所が制限される上に重労働。

イグルーも意外と雪を選び、1人で構築するのはなかなかコツが要る。

 

そんな中、パウダーでも湿雪でも(比較的)雪を選ばず、

ソロでもそこまで苦労をしないシェルターがスノーマウントだ。

 

構築完了。

マウントの直径は寝床が2m、壁の厚みが60cmと仮定して、3.2m。

あまり小さく作りすぎない方が結果的に楽だと思う。

3.6mのゾンデがあればすぐに円を描ける。

 

中心にツェルトやフライを被せたザックを置き、ひたすらに雪を積んでいく。

今回は高さ2mとした。

 

暖かい。

積んだ雪を叩き締め固めて15分ほど放置。(焼結)

中のザックを掘り出し、後は雪洞と同じようにスペースを掘り出していく。

個人的に雪洞で一番辛い「内部の掘り始め」をスッ飛ばせるのが長所だ。

 

開始から1時間20分ほどで構築完了。暖かな家が完成した。

 

夕方就寝。

勿論デメリットはある。

そもそも風が強い場所では構築が難しい。

気温が高い4月頃は、雪洞を掘った方が楽なパターンもあるだろう。

 

シャーベットで作れるのか、最後まで試したことはない。

 

翌日。30cmほど降って風もそこそこだったみたい。

樹林帯が多く防風しやすい八ヶ岳を何泊もするような、

つまり1~2月の八ヶ岳全山縦走時に用いられるのではないか。

 

まぁ、実際は快晴続きと時間の足りなさで使わなかった。

 

冬の様相。

グースカ爆睡した翌日、天狗岳に行こうと出立したが風が強い。

 

結局天狗の頂に立ったのは、3度目に訪れた時。

 

D大のパーティに追いつく元気も出ねぇ。

隣で張っていたD大山岳部が先に見えたが、当初の目的は達成したので

さっさと引き返した。

黒百合ヒュッテで荷物を片して帰る。

勿論スノーマウントは壊しておこう。サイトの邪魔になる。

 

帰ろうか。

マルチデイでは装備を切り詰めることの重要性を感じた年末年始、

大して暖かくもなく嵩張るテントは寧ろ不要ではないか、という気さえした。

 

もすもす。

今はまだ実践技術が足りないが、いつかはツェルトだけに絞って

複数日、山に入りより遠く・高く足を伸ばしていきたい。

 

渋の湯の川では大福が採れる。

あ、降りてきたら晴れるいつものやつね。

車にこんもり積もった雪をどかして、誰もまだいない渋の湯を満喫して帰った。

 

降りてきたら晴れてやんの。

雪は時に道にもなり、身を守る家にもなる。

雪との付き合い方の引き出しを、もっと増やしていきたい。

 

今日はスキーの練習、と思ったが雨だよド畜生。

じゃあね。