アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2023年5月1~3日 新穂高~双六岳~鷲羽岳~槍ヶ岳 (3/3)

前回の続き。

 

3:30起床。諸々パッキングして4:00過ぎに出発する。

嘘のような快晴無風。

 

幕が上がる。

樅沢岳は9割夏道。常念山脈のシルエットが浮かぶ。

 

開演。

夜の幕が上がり、目指す頂が見える時こそナイトハイクの醍醐味と思う。

 

これ見ると山来て良かった、って思うんすよ。

こちら側の槍は太陽を背にしているので焼けなかったが、

双六に居ればそれは見事な朝焼けが見れたろう。

 

Ioh-One!!

雪面は冷え込みで抜群の歩きやすさ、硫黄尾根には光は見えなかったが

やはりGWにも入山者がいたらしい。ボロボロの尾根は近くに寄ると一層威圧的だ。

 

夏道を辿る。右手は断崖。

今年の高温の影響か、夏の巻き道を使ってサクサク進む。

東面は何故ここまで溶けないのだろう。日当たりは良いはずだが。

 

ウェディングヴェール。

稜線上は笠ヶ岳鏡平が一層美しく見える。

 

まだまだ先は長いぜ。

昨日小屋泊りの先行者に追いつく。今日中に槍沢から帰るらしい。

 

奥丸山。

細かなアップダウンを終えると奥丸山が近付いてくる。

 

千丈沢乗越から。

中崎尾根との合流点、千丈沢乗越からいよいよ槍の肩へ登り詰めていく。

 

千丈沢 結構滑れそうな斜面。

千丈沢は一見ドヘタな僕でも滑りやすそうな斜面に見えるが、

ボロい尾根が上にあるので地雷だらけだろうな。

 

岩峰は巻く。雪も硬くて難しくない。むしろガレ場がしんどい。

岩峰を飛騨沢側に巻いて左上する。

高度感があるが日も当たり程良い硬さなので不安はない。

むしろ稜線が浮石だらけで辛い。落としたら飛騨沢を詰めている登山者に危険が及ぶ。

 

とうとう見えた。

細心の注意を払って登り終え、尾根を乗越せば小槍の目の前に飛び出した。

 

最後のトラバース。

ほっと一息。穂先は思ったほど人が居ない。まだ登山者は集まりきっていないようだ。

 

前穂北尾根。

槍ヶ岳山荘はGWの間だけ仮開けし、再びサマーシーズンまで閉ざされる。

小屋でコーラを買おう!…と思ったがペプシしかないらしい。

コーラ原理主義の僕はペプシをコーラと認めない。

 

槍を見ながら喉を潤す。

CCレモンパイナップルMixがあったので一安心。

これは西沢渓谷付近でも夏季に売っていて、山の帰りにはとても美味い。

槍を見ながら乾いた体にブチ込む。あー、たまらんね!

 

10:10 山頂。

2回目の穂先にも登る。

梯子の手前のくの字が硬いアイスになっていたので岩壁沿いにへつり上がった。

ウィペットだと流石に氷に刃が立たないし取り回しが面倒。

 

北鎌尾根。

頂からは北鎌の厳めしい姿が白雪を纏って美しい。

立山とかそのへん。

人も居ない穴場の時間を堪能する。

 

山荘。

ふと下を見れば、槍沢からの登山者も続々と上がってきたみたいだ。

 

2年前も撮影した穂高

2年ぶりの景色を瞼に焼き付けるようにして、名残惜しいが山頂を後にする。

 

アルプス一万尺

下りもくの字で岩壁に寄る。

この時期は上り下りのルートの区別は無いので、余計混雑するかも。

流石に夏ほど人が来るわけでもないので、たかが知れているかもしれないが。

 

帰るぜ。

さて、肝心のテント泊だが現在11:00。

朝は雪がある程度緩むまで下るのは難しいかもしれない。

大体これくらいの時間になると思ったら、ほぼ丸一日いることになるじゃないか。

 

大喰岳西尾根の『宝の木』。一目で分かるほど周りの樹とは違う立派さ。

もしかしたら1日早めて下山できるのでは?

今から降りればひがくの湯で飯も食えるだろう。

唐揚げ、焼きそば、ラーメン、焼肉…あらゆる食の葛藤に勝てなかった。

カレーメシばっか食ってるのに、あと3食カレーメシは気が狂いそうになる。

 

滝谷ドームが見えるよ。

結局テントを担いできたのに使う機会もなく下山を決めた。

これが散々後悔する判断とは知らずにこの時は呑気に滝谷ドームを眺めていた。

 

槍平小屋で泊まるか逡巡。

槍平から先は殆ど夏道で、日射高温で足も汗をかく。

処理を怠っていたので足の皮膚がふやけて割れまくった。

こうなると本当に痛い。歩くことすら億劫になってくる。

 

鳥も通わぬ滝谷。避難小屋で大休憩。

ようやく一息つける滝谷で水分補給し、避難小屋でテーピングテープを巻く。

その後も氷や雪のトラバースが断続して思うように夏道通しとはいかない。

白出沢出合の少し手前でようやくアイゼンを外して少しはマシになった。

 

岩小屋から先は撮影する元気もなくなって無心。

穂高平小屋からが本当に辛い長さで、自分の浅薄な判断と

飛騨沢の長ったらしい砂利道に呪詛を垂れ流しながら歩く。

気付けば槍から6時間以上、薄暗くなる前の18:00新穂高に到着した。

 

見かねて駐車場まで送って下さった飛騨県警のお兄さんには感謝し足りない。

死にそうな顔になりながらひがくで山盛りの唐揚げ定食を食べ

翌朝まで神岡で爆睡してから帰宅した。

 

おわり。