すっかり肌寒くなり冬の訪れを感じるこの頃。
晩秋はやはり鍋物が格別ですね。
ということで酒と鍋、と洒落こもう。甲武信ヶ岳へ行ってきました。
今年3度目。
6:45 道の駅みとみ発。
ルートは複数取れるが、まず徳ちゃん新道ピストンはトラウマ、却下。
古礼山南西尾根は興味あるけど、前日ドカ降りだったしな…。
青笹尾根の防火道を通るのは良さそう!と考え事して歩いていたら
いつの間にか取り付きを通り越していた。
まぁ雁坂峠を往路で歩いたことないし丁度良いや。
渡渉は一発目でドボンしたので、もはや開き直ってザブザブ入ることに。
速乾靴下とランシューなのでどうせ乾くしね。
ジグ切って峠へ至る道で、ご機嫌な山梨の秋晴れを浴び。
肌を撫でる風が少し寒さを伝える。
9:18雁坂峠。30分程大きく休憩。
さて、今日の宿泊地は前々から考えていた破風山避難小屋にしよう。
それこそ青笹尾根から歩いた方が早いんだけど、この稜線割と好きなので。
奥秩父でも立ち枯れが激しく痛ましさを覚えるが
こちらを読む限り、縞枯山に見られるような自然サイクルに依るものらしい。
下草をシカに食われて残った笹が繁茂し、発芽率が抑えられているのは
樹木にとって喜ばしいことではない一方、
地表の雨除けになる役割も持つらしく、ひいては幼木の流出を防いでくれる。
決して「悪者」ではないのだ。
そんなことを独り言ちているときりりとした女性に見つめられる。照れるなぁ。
蒼き山並と富士の高嶺が末永く或りますように。
幾度かの登りで腰を下ろして休憩。意外と疲れるんじゃい。
やがてダム湖を見下ろす頃、笹原を抱く山が見えてきた。木賊山だ。
木暮理太郎は甲武信ヶ岳・三宝山・木賊山を一身三頭のケルベロスに例え、
隠れた三宝山こそ第一星と説いた。
甲武信は言わずもがな百名山、とすれば木賊山は二山に比して「不遇」なのか。
そんな手前勝手な批評なぞどうでも良いと、堂々と手を広げる嫋やかな山容。
11:50 その根元に煙突伸ばした小屋があり、ここが目的地。
有志の方が維持されており、所定の規約を厳守すること。
要は「極力薪は自ら集める」「来た時よりも綺麗にする」。
そのひと手間を一興と思える物好きに愛される。
薪を焼べ、鶏ベースの鍋をストーブで温める。
炭火の薫りを肴に、安酒でも極上の贅沢。
〆はうどんを放り込み腹も満たされた。
別ルートからの同類と山の話題で盛り上がり、陽が暮れ落ちた頃寝静まる。
ちなみに煙の吸い過ぎ・安酒・脱水で類を見ない寝苦しい一夜だった…。
次回へ続く。