微睡を消し飛ばす残暑の秋、キノコ撮影に天蓋山へ行った話。
昨年11月に訪れていた。
霧氷が張付いた樹々と白染まりの頂が目に浮かぶ。
確かこの翌週。
そんな記憶の中の寒さも茹で上がり、霧消する真夏日。
里山の菌類も土中で静まり、まだ出るのを躊躇っていたようだった。
山之村の森は四季折々美しい、殊更に嬉しいのは豊穣の秋だ。
行けば何かしら観察できて、ついでに山も登れる。一石二鳥。
惰眠貪り寝過ごそうとも来られる手軽さは魅力的。
ナラタケやイグチ科が多かったが、
グレバの取れたスッポンタケは撮っていなかったので嬉しい。
そういえば数年前、藪道アプローチ用に買ったはいいものの
肥しにしていた折り畳み長靴があったので、ちょっと履いてみることにした。
地下足袋に近い足裏感覚で、
長い行程だと少し辛そうだが、軽い散策程度なら十分。
まったり歩いて1時間半、山頂からの景色は折り紙付きだ。
YAMAP新道で帰っても良いが茹だる車道歩きは御免被る。
近くには熊肉カレーを出す店もあり、昼食はそこにしよう。
そうと決まればさぁ急げ。
ここ数日で急に気温が下がり震える程。
あんなに鬱陶しく思えた暑さが恋しいとは、つくづく現金なものだ。
さて、週末はどこへ行こうか…。