8月末に、越後湯沢の赤湯温泉へ行ってきました。
1年ちょっと。

富山から220km、決して近くない越後湯沢の奥地の出湯。
その趣きが大のお気に入りとなって早三年。

真夏の酷暑もここまでは届かない。
気持ち良いブナの木立に喜んで歩こう。

急登に暫し低頭すれば峠に至り、そこからは細かいアップダウン。

まったり歩いたので前日泊りの人は既に降りており
テン場は貸切、ぱぱっと設営を済ませて入湯…の前に遊びに行こうか。

幾つかの沢が走っており、遡行も面白いとか。
両岸を覆う森の豊かさが眩しい。

竿を振ること暫くして、素直な子が毛鉤をひったくって来た。

足元を丸々太った黒蟻が通り、カゲロウが蜘蛛の巣に絡めとられている。
豊富な水中・陸生昆虫がこの生態系を支えているのだな。

決して魚影は濃くないこういう沢ではC&Rを心掛けよう。
食べれば一瞬、残せば次も遊んでくれる。
しかしお盆を過ぎた8月末、ピュアに咥えてくれる子は多くない。

ここぞという大場所でハリスを長めに取り、
スリムに巻いた毛鉤を放り投げるといきなり強い引きが返ってきた。
「うおっ!デカい!」

抜き上げるのは難しかったので、一か八か飛び込む。
テンションを緩めずかけすぎず格闘してようやくネットイン。
立派な9寸だ。心臓バクバク。

咥えてくれたのは、前日用意していた秋向きの毛鉤。
キラッと光るティンセルと細身のボディがチャーミング。

一頻り喜びを露わにして、なかなか素敵なCS滝まで辿り着いた。
切立った両岸を巻くのは億劫だしここを区切りとして竿仕舞。

帰り道からそっと覗いてみると、ゆらゆら泳いで。お散歩だろうか。

テントに戻り時計を見ればもう昼頃。
パスタを軽く食べてお風呂をいただこう。

温めだが内からじわじわと温まる。湯船の前には冷やかな清津の流れ。
この贅沢は額に汗かいて訪れた者にのみの特権だ…。

小屋主さん以外は既に降り、貸切の湯を堪能。
嗚呼…来てよかった…。生き返る…。
次回へ続く。