恒例となった年末の熊野古道。
碌に長期休暇も取れぬ暇無し貧乏の僕にとって
紀伊半島を訪れるのが隔年の楽しみ。

前夜に荷を担いで敦賀経由で名古屋入り。
15年ぶりに訪れた名古屋…流石に記憶も感慨もない。早々にチェックインして就寝。

翌朝未明から近鉄に揺られ、伊勢神宮(内宮)への最寄五十鈴川駅。

日ノ本の総氏神、早朝にも関わらず参道の賑わい。

余裕があれば出店をつついて参詣と行きたいところだが
残念ながらスケジュールがタイトなのでまたの機会にしよう。

さて、今回辿る伊勢路とは伊勢神宮から熊野を詣でる古き祈りの旅路。

全国各地からの『お伊勢詣り』は江戸中期に盛んになる。
ちょうど年の瀬の頃合に大勢の人で賑わったようだ。

富山の奥地有峰では2人の男衆が伊勢へ詣でることが習わしとなっていた。
国の裏側から遥々詣でてくるのだから、
農閑期の庶民にとって、大変だがそれ以上に楽しみな長旅だったことが伺える。

伊勢詣りの隆盛に伴って、伊勢路も近世以後発展していく。
信心深い者達が熊野三山を詣でに向かった。

生憎、街道がアスファルトで敷き詰められた現代において
往時の風情を感じ取るのは簡単ではないかもしれない。

しかし時代は常に移ろうもの、と前向きに捉えて楽しむのが旅には肝要。
普段パンを食べないのだが、美味しそうなソーセージパンが売っていた。
頬張りながらてくてく。うまい。

どことなくタイムリーな、紅白に彩られた石仏に手を合せて。

5時間近くアスファルトと付き合い、流石に退屈してきた頃に
ようやくトレイルのご褒美だ。

小気味良い林を落葉蹴散らす。やはり柔かな土を踏むのが性に合う。

パリパリと割れた木炭のような岩に興味を惹かれる。
軽快に下り降りればあっという間にトレイルが終わってしまった。

遥々旅をする者は人だけではない。

一見どこにでもある山間集落。
熊野を詣でた先達も、道々或る村に立寄りながら交流したに違いない。
「富山から来ました。ここは良いところですね。あなたはこちらのお生まれ?」

かつては広い桑畑が広がっていた村々を過ぎればようやく
15:10 本日の宿 岡島屋がある栃原だ。

ここまで27km、なかなか草臥れたが
明日の行程が今回の核心で40kmある。出来るだけ頑張ろう。
宿に荷を置き、隣駅の川添まで歩くことにした。1時間半くらいの残業だ。

実際、水路を潜り川を渡り薄暗い林道をひた歩き…あまり夜半に歩きたくはない。
逆に明るい時間に歩けたのでなかなか面白味があった。

「皆さん早く帰りましょう」のアナウンスが響く頃、
足を引き摺り川添駅へ辿り着く。

電車で栃原に戻り、夜道を歩いて17:30頃に宿へ帰還。
柚子風呂で温まってから、食べきれないほどたらふくの夕食をいただく。
あまり興味のない歌番組を見つつ23:00頃就寝した。
伊勢神宮内宮~川添
34.1km / 91 km
次回へ続く。