前回の続き。
翌朝未明に由利本荘を発。
秋田と山形に跨る百名山が一峰、鳥海山へ。

夜明けのブルーラインを駆け上り、鉾立を5:00発。
日本海から立ち昇る雪と花の高嶺、朝早くも賑やか。

喧騒から離れるために早足で登ろう。6:00 御浜神社。
稜線上はそれなりに風も吹いていたが、半袖でも涼しいの範疇で快適。

前夜に突発的に決めて訪れた鳥海山、
噂に勝りし良い雰囲気じゃないか!

日本海側の東北の山は、どことなく荒々しい印象があった。
会越国境の谷の険阻さから来るものだろうか。

写真で見た山頂の岩稜の様子と、スキーヤーが繁く訪れるという情報から
道中はゴツゴツした岩場が続き、冬場は岩が雪で埋まりスキーに向く…という
穂高に似たイメージを持っていた。

雲がかりが激しいので谷コースで登行する。
青ノ栂桜、まだ残る小梅慧草、そして初めて見る固有種の鳥海薊…。

やがてアスレチックな巨岩帯を抜ければ山頂に至る。

濡れる程ではない霧雨が南風に吹かれ…。
流石に寒いのでダウンを着ておこう。

百名山らしからぬ簡素な山頂標を眺めながら
巨岩の隙間に屈み20分ほど風雨を凌いでいると雲が取れ始めた。

大海原と岩のコントラストに歓声が上がる。
一瞬の切れ間を納め、帰りは稜線沿いにしてみようか。

紡がれた信仰の跡に手を合せ、未だ残雪残る谷筋を登り返して七高山へ。

花満開の稜線闊歩は万病に良いとされている。
富山で見ることのない鳥海衾…。

やがて青空が見えて、足取りも軽くなる。
心はスキップでも踏みたい気分。

山頂の雲は下山時もなかなか取れず、あの晴れ間が唯一のチャンスだったのだろうか。

これだけ良い山ならば人気の程も伺え、
この日は何百という登山者で道中大賑わいだった。

奥北薊、車百合、四葉塩釜…そして満開の深山竜胆。
人だけでなく花も渋滞する鳥海山の魅力。

陽が高くなるが、暑さは下界ほどではない。
眩しい緑の草原に付けられた道、画になるね。

降りるのが惜しい登山日和。

なだらかな緑の稜線。
抹茶カステラのようだ。どちらも大好物。

喧騒の小屋を過ぎて小走りで降りる。

足に疲れが溜まる頃、正午前に下山。
鳥海山には多くの登山道が拓かれている。
絶対にまた訪れよう。春夏秋冬の楽しみに溢れた素晴らしい山だった。

下山後は山荘のカレーを平らげて。
南下した遊佐の方で風呂に入って、次の目的地へ向かった。
次回へ続く。