夏の装いから衣替えの頃合、伊豆半島を歩き旅してきました。
ちょうど1年ぶり。

木曜に前入りで熱海。4時間足らずで日本の真裏へ行ける時代。
明け方ホテルで朝食を摂り、ちょっとだけ散歩。

生憎早朝やっている店は僅か。
走り湯とかめっちゃ気になるからまたの機会に訪れたい。

前回と同じく起点は松崎。蓮台寺駅からバスに揺られて40分。

今回の旅路は西伊豆歩道。
西伊豆の海岸線沿いに堂ヶ島~大瀬崎の総距離約60kmを繋ぐ自然探勝路だ。

秋晴れの西伊豆にて潮風そよぐロングコース。
道中の港の味ある美景を眺めて歩もうじゃないか。

伊豆の風景には暗いかげなどみじんもなく、
つねに常春の国という言葉につながる気がする。
伊豆といえば、ふくよかな、あたたかさが、陽炎のようにたちのぼる。
安斎秀夫『伊豆』

ロングトレイル、と聞くと敷居が高い・辛いとお考えではないだろうか。
もちろんある程度歩く体力は必要だが、
そもそも歩き続けなければならないなんてルールはない。
自分が楽しめば百点満点だ。

要はスローペースな旅をしよう、というのが根底にある。
車窓やガイドブックからでは届かない小径や集落の中にこそ、宝石は隠れている。

堂ヶ島でお昼にしようとしたが予定よりも早く着きそう。
適当にブラブラしてみよう。…おっ?近くに露天風呂があるらしい。
駿河湾の藍に抱かれる露天風呂、極楽極楽。
南東には烏帽子山岩擁する雲見。昨年訪れた港を遠望する。

堂ヶ島は観光で賑わう。
嘗て遊女が薬師詣りに幾十もの船を浮かばせた港に、響く遊覧船のアナウンス。

街を廻る歩き旅では、食事は最重要案件。
旅では辛いことがあっても、何だかんだ食に恵まれれば良い思い出だけ残るのだ。

伊豆名物の干物定食。骨までバリバリと食べられる美味しさ。
ご飯が漫画のような山盛りで腹一杯になった。

空腹も満たされ、漲る活力を足に乗せよう。
暫く歩き浮島(ふとう)へ降る。喧騒のないプライベートビーチだ。

スキューバやSUPの隠れた名エリアらしい。
生憎このカナヅチは泳げないが
箱メガネとサンダルくらいなら持ってきても面白いかもな。

さあ、待望のトレイル区間。古くは燈明(和式灯台)があった岬を越し、
南西の眺望が晴れるご機嫌な遊歩道だ。
東屋もあり、お子さんと先の浮島での生物観察がてらピクニックなんかどうでしょ。

降った先は静かな田子瀬浜。
こういうところで一日カニや魚と夕日を眺めながら過ごしたくなるが、
それはまたの楽しみに取っておこう。

さて、高くなった陽を仰いで田子から安良里へと。
地元スーパーで夕食とみかんを買い、坂をだらだらと上がる。

足元から喧騒が響く。貸切キャンプ場があるようだ。
静けさを求めてハイクアップ。一息で富士山展望台へ。

スタートから霞がちだった富士山をようやく捉える。
夕富士を独占する幕場も興味がそそられるが、まだ昼日中。
予定地はもう少し下ったところで、そこに東屋がある…。

…と下調べしていたのだが、あれ?見つからないぞ。
(どうやら分岐を少し別のところへ行くとあるらしい。)
さっきの展望台まで30分かけて戻る気にもならないし、探しながら降ってみよう。

結局1時間以上歩いたので、
余裕をもって展望台にしておいた方が良かったかもしれない。

しかしこれはこれで雰囲気があって大変すばらしいじゃないか。
潮騒と夕陽だけ…何と贅沢なひと時。

今回の夕飯はメスティン。何気に初めてだが綺麗に炊けた。
これくらいなら今後のロングトレイルでも持参していきたいな。
やはりパスタより米。つくづく日本人だ。
夜は暖かく明け方まで快眠。藪蚊さえいなけりゃ幕すら要らない。
次回へ続く。