アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2024年10月12~14日 南伊豆ロングトレイル(2/4)

前回の続き。

 

3:00起床。夜露で湿ったテントを片して炊事場で朝餉を取る。

前日が15km、今日の目的地は更に26km先。長さを楽しもう。

 

ヘッデンを点け、無心闊歩。

4:35出立。電灯のない山道を、小型電球の灯を頼りに。

時折鳥獣の鳴声に驚かされ、歩む先は波勝崎(はかちざき)

 

東日本屈指の猿の住処 波勝崎。

東日本最大級の野猿コロニーを擁するモンキーベイ。

まだ薄暗い暁の浜の向こうで幾重の甲高い声が響く。

 

夜明けの湾を望む。

だが驚くことに、浜を過ぎればむしろ鹿の気配が濃くなる。

久しく通られていなさそうな車道を下っていくと、

草葉を食んでいた数頭の群れが山林へ駆け上がっていった。

 

農地跡。鹿の群れが横切る。

霜降りることを知らず』と云われる温暖な伊浜は生花栽培で知られ、

とりわけ1960年代、伊浜を始めとした南伊豆マーガレット栽培地は

国内生産の9割を担っていた。

 

伊浜の海。

静穏に包まれる海岸線は、磯釣りで知られた荒々しい岸壁が連なる。

 

振り返り。

朝日に照る波勝崎と凪の海のコントラストに後ろ髪を引かれながら、

暫くの車道歩きへと戻ろう。

 

伊浜の家は赤い屋根が多い。

地図に残る落居へのトレイルは半世紀前に起きた大震災(伊豆半島沖地震)で崩壊し、

現状とても通行できるものではない。

車道を登り一町田でR136と合流するとランナーに抜かされた。

 

宇留井島の東の小島、小留井島。誰かクライミングしてるかな。

210kmを48時間で走るウルトラマラソン伊豆半島一周フットジャーニーの参加者だ。

前日から100km走ってきたらしい。ちょっとよくわかんない。

 

遮るもののない国道を峠まで下ると、ようやく今日初のトレイルを踏める。

 

トレイル区間のハイライト、子浦日和山より。

この子浦遊歩道の眺望は抜群で、120mに満たない山と思えない。

古くは船舶運航のため風波を読んだ日和山で、麓の子浦の文化風土に根差した名所だ。

 

柱状節理岩壁「竜崎の蛇下り」。節理はこちら側からは見えない。

樹林の山も悪くないが、目的地が見えるとモチベーションにも繋がる。

 

あれが妻良。この辺で一番大きい集落。

前半の区切りとなる漁港、妻良(めら)が見える。

まさに微笑みたくなる旅日和だ。

 

展望台があるらしいんだけど、スズメバチに纏われたので退散。

樫の森を縫い降りた先は子浦、荒浪舞う大海の風待ち港として栄えた村。

 

8:10 子浦。

鳶の啼く長閑な漁村、どことなくスローな時に包まれる。

 

9:11 妻良。

子浦から30分も歩けば妻良だ。

食堂があり日曜もやってる…と聞いていたが眼前で「定休」とかけられた。

そ、そりゃないぜぇ…。

(※南伊豆地方の店舗営業時間はgoogle mapの記載と相違あるケースが多いです。要注意。)

 

まぁ、食料は持ち合せがあるので困らない。

逆ルートで歩いて来た方と情報共有し、後半のトレイルゾーンへ踏み込もう。

 

次回へ続く。