久々の登山(後編)。
前回の続き。
さて、前回は御岳山に到着したところで区切りましたが、
今回は御岳山から大岳山へ向かうところから。
ちょっとこの時点で思っていたよりコースタイムがかかっていたのと体力的な不安が。
この時点で11:00を回っていて、出発から3時間以上経過。
残りは2時間近くの登りと、来た道並みの長さの下り。合計5時間超。
計算するとコンスタントでも16時。日の入りが17時50分頃。
天気予報では夕方から夜にかけて若干雨。
やべえ、思ったより時間がない。
御岳山の神社、山頂に行く予定でしたが、余裕がないことに気づき、
巻いて進むことに決定しました。
ということで脇道からロックガーデンを経由し大岳山へ繋がる道を選択。
天狗の腰掛杉。樹高60m、樹齢350年以上。350年と言うと江戸時代、徳川家綱の時代です。
家綱ってピンと来ないですが、生類憐みの令の綱吉の前の人。
そう聞くとかなり前ですね。
曲がった枝に天狗が座って眺めてるんだとか。
杉を超えた後暫く歩いていると、まさかの珍客が出てきました。
画像だと小さいですがかなりデカくて吃驚しました。
忍び足で近づいても逃げないし…。
反対方面から人が来ると「やれやれ…」みたいな顔して逃げていきました。
カモシカって富山だと学校に出たり道路歩いてたりしてたので、もはや「あ、出た」くらいにしか感じませんが、
山で会うとやっぱり違いますね。
仲が良い幼馴染がバイトしてる風景を目撃した時みたいな気持ちになります。
とまあ、カモシカを見た後で歩いてると、御岳山の主役の1つ、
岩石園、通称ロックガーデンとの分岐に当たります。
ロックガーデン。七代の滝~綾広の滝までのおよそ1kmの長さに渡る、
今から80年程前に整備された苔むした岩石の道です。
苔っていうのは水分が大好きなので、沢や滝がある湿潤環境のこの地帯の苔は
もっこもこ、ふっかふかして柔らかく、小さくても綺麗な花を咲かせたりとか、
苔マニア垂涎のコースらしい。
さて、ロックガーデンを通り過ぎていよいよ大岳山への入り口です。
ここら辺は今までよりもより自然な感じの道なので、汚れても良い靴で来ましょう。
「御岳山に来たからついでに~♪」とゆるふわな感じで来ると、泥に足を取られて最悪な目に合います。
ここら辺からちょっとした鎖場が出始めます。
ちょっとアスレチック気分で楽しい。
12:30 大岳神社到着。
ここまで来ればあと少し。
15分程登り切れば頂上です。
急峻、という程でもないですがそこそこ険しい岩場になっているので、
すれ違う時は注意しましょう。
12:50 大岳山山頂。
御前山、三頭山と共に数えられる奥多摩南山域の名峰、奥多摩三山の1つ。
山頂は決して広くはありませんが、素晴らしい展望でシーズンには人だかりが凄いとか。
シーズンじゃなくても結構団体の方がいましたが。
さて、展望はガスってましたがまあ良い景色です。とか思いながら遅めの昼飯を食べてたら、
ちょうど団体さんが下りて行った後にガス晴れしてきました。
おお、うっすら富士山が見える!(画像中央)
日の出山の時点で結構諦めて、見えると思ってなかったので嬉しい。
ちなみに山座同定はちょっと難しいな。
さて、30分程暇を潰し、ここからがこの山行の踏ん張りどころ、
ここから奥多摩駅まで6km強の下りに入ります。
山頂にも「下りで4時間弱、ヘッドライトの準備は大丈夫ですか?」との看板が。
もちろん持ってきてますが、絶対忘れないようにしましょう。
本当は海沢探勝路で降りて滝を見る予定でしたが、
雨の日の悪路とか死亡フラグが迸ってるのでやめときます。
尾根下りにはもちろん足運びも大事ですが、木や岩を掴むので手が汚れないグローブがあると助かります。
今回買ってきたのはセリアに売ってた指切りフィットグローブ。
【レビュー】100均 セリア【エンボス付き 指切りフィットグローブ】「寒さ対策」細かい作業にはもってこいですね(・´з`・) | ZERO-NETAⅡ
こんなやつ。ザックにいつも1つ入れてます。
指切りされているのでスマホの操作も便利ですし、グローブにありがちな蒸れも薄いので感じず、グリップ力も強いので思ってた以上に助かりました。
しかし雨上がりの山も良いものですね、蜘蛛の糸が綺麗です。
こんな風に立体的な巣を作るのは何のクモなんだろうか。
ハナホウキタケ。
触手みたいでいい感じにキモい。
イボテングダケかな、それともガンタケかな。
見た目から察せますが毒キノコ。
そもそもこれを見て食べようと思う人はいるんでしょうか。
ドクツルタケ?シロタマゴテングタケ?
わからん。
白いキノコはかわいいですね。ちなみにこのサイズを食べると死にます。
そんなこんなで歩くこと1時間少しで、鋸山に到着しました。
14:15 鋸山山頂。
頂上は開けてないので展望もありませんが風通しが良くて涼しい。
ここまでちょっとハイペースで来たので少し休憩して進むことに。
ここからが何人も滑落事故が起きてる、鋸尾根になります。
ただそこまでアップダウンに激しい形ではないので、下りの滑落に注意すれば良いかな。
鋸尾根に入ってすぐ、隣で「ガサッ」という音がなったので振り向くと、
「あ、やっべ」って声が出ちゃいました。
ここで出るか。
数頭の群れに遠巻きから眺められてるのは地味に怖い。
さっき柿の種食べなきゃ良かった。って後悔しながら刺激せず降りていきます。
まああちらも見慣れてるのか、何もせず過ぎることができました。よかったよかった。
さて、ここから無心で降りていくと鋸尾根の鎖場コースとの分岐に出ます。
鋸尾根ではちょっとした鎖場コースがあるので、クライミングがしたい方は来るみたいですね。
画像で見える以上に高度感があります。体力がないのに降りると死にそう。
またここからの景色も開けていて大変良いので撮影スポットです。
足場や松がもっと移るように撮ると高度感抜群なんですけどね。
こうも長い間山にいると、麓に町が見えると一安心ですね。
これは愛宕山と鋸山のちょうど中間くらいにある天聖神社への岩山。
さて、こんな感じで登ってるとようやく愛宕山への道、愛宕神社鳥居に到着。
16:00 愛宕神社鳥居。
この時点で16時なのでとりあえずは安心ですね。
雨も降らなくて良かったです。
あとここまでで不安だなと思ったら、愛宕神社からは集落への車道が走ってるので、
そっち方面で遠回りでも奥多摩に着けると思います。
写真を撮るならそこが良いかも。
どうやら第二次大戦の戦没者の方々の鎮魂の為に建立したとの記載があります。
このコースの最後に待つは愛宕神社の有名な180階段。
ここまで17km弱の山行をしておきながら最後にこの下りは足がふらついて
手すり無しじゃとても降りられませんでした。
ていうか角度がやべー。
こんな階段から転げ落ちたら火曜サスペンス劇場も真っ青ですよ。
180階段を降りると車道からの音も大きくなり、麓に降りてきたのを実感します。
ちなみに階段を下りた直後にちょっと雨が降ってきました。
巻いてなかったらまだ鋸尾根です。よかった。
16:20 愛宕山下山。
ということで、コースタイムは9時間45分。
今までで一番長かったけど一番疲れたって感じではありませんでした。
長いことは長かったけど、檜洞丸~石棚山経由の下りの方が精神的には辛かったと思います。
やっぱり人が誰かしらいると、安心感ってのはありますね。奥多摩の良さはそこにあると思います。
下山後は温泉に入って腹減ってたんで夜飯。
生き返るわー。と思いながら食って、奥多摩駅から電車で帰宅しました。
鳩ノ巣駅あたりで寝て、起きたら新宿にいたんですけどね。
ちなみに筋肉痛は2日取れなかったよ!
それじゃまたどこかの山で。