前回の続き。
大観台(1470m)で称名滝を見て、美女平まではあと半分ほど。
この大観台近くから植栽の風貌がガラッと変わります。
今までは陽が差しやすい笹薮の中を縫うような木道でしたが、
ここからはネズコやブナの生い茂る林となっており、
そのため雨の日はとても滑りやすくなっております。
道中には豆知識の看板が。
ネズコは隣の長野ではヒノキと同じくらい重要な樹木であり、
色白のヒノキと比べると黒い見た目から、『黒檜(クロビ・クロヒ)』と呼んだそう。
それがいつしか訛って『クロベ』と呼ばれるようになり、
黒部ダムや黒部峡谷を抱える黒部市は、このネズコが多く自生していることから
名がつけられたとされています。
また、ここから先は特にクマへ注意しなければなりません。
美女平周辺の千寿ケ原・芦峅寺地区は富山県でも特にクマが濃い地域とされ
今年は6月28日までに県内で57件のクマ目撃例がありますが
うち11件が同地域でのものです。
昨年美女平で襲われた人がいるということを覚えていたので、
誰もいないことですし、歌いながら歩いてました。
第一に遭わないように対策するべきではありますが、
美女平に多く自生するトチやブナの実は、クマにとってご馳走です。
むしろ部外者はこちらなので、
出会ってしまうのも無理からぬことなのかもしれません。
こちら側から通ってきた人のおかげか、露払いができていたので助かりました。
湿度の高い道ですので、道中多くのギンリョウソウを見かけました。
ここまで多く見られるのは、雨の日の翌日だったからかもしれませんね。
ようやく残り2kmの休憩所。
ここでカモシカを見かけました。僕が気付くより先にあちらが逃げたのでびっくり。
幹からにょきにょき枝分かれしていることから名が付いた『火炎スギ』。
タテヤマスギの巨木は、登りで別の探勝路を選んだ方が多くみられるかも。
最短コースもそれはそれで良いものですが。
美女平の探勝路を周回するだけで結構な距離がありますので、
いずれ回ってみたくはありますね。
そんなこんなで10km余りの、ちょっぴり長いトレッキングも終わり、
美女平駅へと到着しました。
巻き巻きで進んできたので4時間ちょっとの行程でした。
次回は立山のどこへ行こうか、いくつか考えておきたいですね。
この後はケーブルカーに乗って帰宅。
結構歩いたからか、何かだるくて夜中は眠れなかったよ。
じゃあね。