前回の続き。
追分を出発して、弥陀ヶ原を降りていきます。
こんな感じ。
今回は歩くアルペンルートコースガイドの⑤→③→②の順番で
追分(1840m)から美女平(977m)まで下りて行くことにしました。
歩くアルペンルート
自然を体験しながら学び・楽しむ、ふれあい豊かな利用の場を
提供するものです。
立山地域「緑のダイヤモンド計画」の一環として、
平成8年度から平成11年度にかけ、千寿ヶ原から一ノ越、黒部湖に至る
27kmの登山道を再整備したものです。
(『立山やまマップ』)
追分から美女平まで、コースタイム上り8時間、下り6時間。
およそ10.6kmの行程となっております。
高山植物群生域の弥陀ヶ原から、ブナ林やタテヤマスギの巨木が連なる美女平まで繋ぐ
室堂への直行バスが運行する現在、多くの方がスルーしている登山道。
室堂行きのバスの脇に伸びる静穏な木道には、チングルマが咲き始めていました。
まさにその通り『可憐』な見た目です。
7月頭になれば、もっと見頃かな?
前回弥陀ヶ原に来た際には、この木道の存在までは下調べしておらず、
草も繁茂していたので、てっきりどこかのマイナールートへ向かっていくものだと思い
弘法までの大部分を、車道歩きで済ませていました。
車道よりも歩きやすく、直線上なので距離もないですし、
わざわざ苦労する道を歩いていたということですね。
この日すれ違った『同業者』は2名ばかし。
どちらも美女平から登って来られた健脚者でした。
弘法を過ぎたあたりから、鍬崎山の頭が曇ってきていてちょっと不安。
鍬崎山の天気が崩れると、立山の天気も不安定になるのです、と地元の人曰く。
結果はと言えば雨に降られず、穏やかな行程になりました。
道中は見所も多く、気持ちよいトレッキングルートとなっております。
弥陀ヶ原と大日連山をより雄大に撮影したい場合は、
ぜひ八郎坂手前まで下りて来てみてはいかがでしょうか。
ちなみに、数多ある山岳風景の中でも僕が特に好きなのは、
大日平と弥陀ヶ原を走る称名川に、夜明け頃霧がかかるところです。
有名な雲に浮かぶギアナ高地の写真にも負けない、荘厳な立山の一面を見られます。
ラムサール条約保護区だからドローンって飛ばせないよね?多分。
もし許可が取れるのならやってみたいですが…。
立山はその特異な地形により、固有種も数多く自生しています。
白紫色をしたタテヤマリンドウもその1つです。
立山ケーブルカーのラッピングにも描かれていますので、見てみましょう。
また、舗装路沿いではニッコウキスゲがちらほら咲き始めていました。
話は変わりますが、富山のニッコウキスゲの名所の白木峰は
予定通りなら6月29日には林道が開通し、8合目まで乗り入れができるとのことです。
ただ来週明けまでずっと天気が悪いので…。
次の晴れの日は物凄い人だかりになりそうです。
そんなこんなで八郎坂分岐を通り過ぎ、称名滝の見える大観台へ到着しました。
バスだともっと下の滝見台でしか眺めることはありませんが、
実は対岸からだとここが一番眺望がよく、
幸運なことにシーズン前の刈込みが終わったばかりの到着でした。
登山者は、しばしば山へは自分の力だけで登っていると錯覚しがちですが、
ボランティアや整備の人達がいて、初めて快適な登山が楽しめているということを
きちんと覚えておきたいものですね。
木道を歩いて、いよいよ草木繁茂する森の中へと進んで行きます。
後半へ続くんじゃ。