アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2023年4月4日 鍬崎山

今年は休日に仕事が入り思うように山へ行けていません。

哀しき資本主義経済の狗と化した僕にも「代休」と言う僅かなお情けはあり、

折角の休暇を寝転び終えるのも癪に障るので鍬崎山へ行ってきました。

 

3年ぶりの再訪です。

 

5:56 大品山南東コルから。

1時間寝坊し3:50発。

過去に瀬戸蔵山から登った時、

丹沢の大倉尾根を思わせる階段地獄に疲弊してボロ雑巾になった苦い記憶がある。

 

今回は導水管経由で2時間歩き大品山へ直接上がった。

杉林がブナに置き換わる頃、展望が開けて対岸の大日岳にも朝が届けられる。

 

日が昇る。

ここ10日続いた「異常」とも思える快晴は嬉しさ反面、

雪解けを一層早まらせる結果となったが

思った程コンディションは悪くなく、程良くアイゼンが噛む良い雪質となった。

 

奥に見えるのが鍬崎山。

大品山からは急登の連続、流石にダガーポジションで登る壁はないが

厳冬期には容易く頂に辿り着けない。

 

ご当地マッターホルンと言えば武尊山大源太山が挙げられるが

この山も見劣りしないキリッとした山容を見せてくれる。

 

6:50 独標。振り返れば大辻山と美女平。

唯一の悪場 靴幅2つ分のリッジを越えればP1756の独標。

 

対岸に見える大辻山も久しく訪れていない。

近いうちに山頂手前のイワウチワの群落を見に行こうか。

 

少し下ってから登り返す。頂は遠い。

先で使うこともないと判断し、ワカンをデポ。

アップダウンを厭い適宜ポコを真谷側に巻こうと思ったが、

尾根に沿った方が結果的には楽。最後の200mで体力をガリガリ削られる。

 

8:00 山頂から薬師岳諸々。

8:00丁度、3年ぶりの絶巓へ立つ。

ここからの薬師岳は県内有数の美景だと思っている。

山頂まで全く見えないという点も感動のスパイスとなる。

 

立山カルデラが隅々まで見える。

また、侵食激しい立山カルデラも特筆物だ。

針ノ木岳を越え、ザラ峠を滑降してくる黒部横断スキーは憧れの1本。

 

有峰湖。和佐府ゼッコどこ…?

深い谷の有峰にも春が訪れようとしている。

来年は早春の渓流釣りと洒落込もうか。

山を眺めながら色んな案が浮かんでは消え、消えては浮かぶ。

 

白檜曽の美しい和佐府ゼッコも1ヶ月前。光陰矢の如し。

 

鉢伏山。でけー山容。

右手で一際山体を広げているのは未到の鉢伏山

こう見ると決まった山には繁く訪れているが、こちら側はとんと訪れていない。

食わず嫌いは悪。

 

大日連山。

大日岳も、4月と8月の2回のみ。

初めての小屋泊をした思い出の山。今年は1日で室堂まで抜けたいな。

 

帰りますか。

銀嶺の輝きに眩みながら、少しの休憩を経て下山とする。

次回はスノーマウントを作って、アーベントロートを思うままにしよう。

 

独標コルの枝振りの見事な樹。

モデルのように端麗な樹々に目を奪われながら、既に緩み始めた雪稜を後にする。

春の陽光が照りつける尾根はクラックと踏み抜きが頻発している。

 

独標のリッジはクライムダウン。

山頂から50分で独標に戻る。ワカンを回収。

今日はウィペット。若干重いがピッケルを使うまでもないならこちらの方が便利。

 

緩いけど、グッサグサってほどでもない。

日陰を拾って下山する。

当初はあまりにグサグサなら瀬戸蔵側に下山しようか考慮していたが

あの下りは気が憂くなる。普通に往路を返そう。

 

日本に6つしかないバットレスダムの真川ダム。

未明には闇の底だった貯水池が見える。

日本に数少ないバットレスダムが富山に2つあり、これはその1つ。

城塞のような面構えが結構好きだ。

 

リフトトップからゲレンデ下降。来るときもそうすりゃよかった。

貯水池から20分ほど下るとあわすのスキー場のリフトトップに出る。

既にグリーンシーズンのゲレンデを下降して、11:30下山を済ませた。

 

昼飯は上市で名物の素麺を食べ、14:00には家に戻り夕方まで爆睡。

久しく味わってなかった充実感に満たされつつも、引かない筋肉痛に悩まされて文を締める。

 

終わり。