7月3連休の2日目。
午後から北陸は大荒れ模様、内陸へ避難。
佐久は幾多の山々が波打つように列を成すが、中心に座すのはこの山に違いない。
麓から眺めた特異な山容は、まさに佐久を代表する峰。
人気の山でいくつか登り口があるがオーソドックスな内山峠から乗船しよう。
霧雨でしっとりとした登山道は足に優しく、寝惚けた体に染み渡る。
カメラを持っていると自然と晴れた所に行きがちなので、新鮮だ。
路の側らでは、小さなアーティストの展覧会が催されている。
ベーリング海に乗り出す男達のような荒々しい山を想像していたのだが
意外にも和やかな空気に包まれたクルーズ船。
1時間ほど登れば山頂台地に到着する。
甲板に広がるは幽玄な景色に包まれた森、いいじゃないかいいじゃないか。
可愛らしい船員との挨拶もかかさず行い、船尾へ回ろう。
艫岩展望台は濃霧に巻かれ、惜しくもその大展望は拝むことができなかったが
これもまた大海原遊覧の風情があって大変よろしい。
風変りな山には変わり者が集まるのか、
見たことのないキノコが多く見られるのも嬉しいポイントだ。
甲板を暫く歩いて行く。霧がいい感じに晴れてきた。
下草がキラキラ光ったご褒美トレイル。
柔らかな足元を踏みしめて。
平坦な道を舳先に向けて歩くこと数十分、最高点の経塚山へ到着する。
樹々に囲まれた素朴な山頂。
展望はないものの荒船の森は水を湛えて、この年に訪れた中でも特に煌びやかだった。
時間があるので周回も考えたが、舗装道を歩くのも悩みどころ。
次回は別の登山口から上がることにして下船準備。
富山では見たことがない、数多くの珍しいキノコを目にした豪華客船だった。
ミクロ世界一周旅行はここにある。
峠への下船を終えた後は佐久の温泉へ入り、ドライブがてら観光に勤しむ。
カーナビを眺めていると目に着いた新海三社神社へ立ち寄った。
新海誠監督はこの辺の出身で、『君の名は。』のモデルにもなったようだ。
僕は見たことないのでピンと来ないが。
夏の香りを感じさせる緑深い神社で撮影に興じた後は、
翌朝は樹海をランニングし、富士山を眺めながらまったり富山へ帰還した。
おわり。