平日はカラッと晴れる日が多い一方、生憎曇天の週末。
遠出はしたくない。近場でまだマシなところを探すと、飛騨高山辺りが良いかな。
今回は位山(くらいやま)と川上岳(かおれだけ)へ。
6:45駐車場を発。
深い霧に覆われた中、無心でリフトトップまで歩き詰める。
麓のモンデウス飛騨位山スノーパークは冬に賑わいを見せる。
「mont deus」の通り神の坐す山、麓の水無神社の御神体。
霧がかった小路は神聖さを思わせる。
時折吹く風は樹々に遮られ吹きつけることもなく快適だ。
稜線に出ると平坦な台地、幾許もせず山頂に着く。
休憩所もあるが、寒風吹き付け落ち着く暇もない。
川上岳まで先を急ごう。
川上岳は分水嶺となっており、
富山湾に注ぐ神通川(宮川)と、伊勢湾に注ぐ木曽川(飛騨川)の源流部となる。
神通川はそれこそ毎日見ているような郷土の河川で、小さな頃から自分の生活の傍にあった。
そんな地元の川の最初の一滴が生まれる山で、いずれ来たいと考えていた。
天空の遊歩道と称される縦走路は確かに整備も行き届き、晴天の眺めは見事だろう。
尤も、この日の登りは殆どが霧に巻かれた。
その分ペースも良く登れたし、苔蒸した樹々の美しさを再発見できる喜びは
きっと晴れているだけでは感じられなかっただろう。
川上岳の山頂からの眺望は次回にお届けしよう。
ダウンを着て粘るのも良かったが、今回昼食は持ってきていなかった。
せめてクッカー程度あれば、お茶でも沸かそうと思ったが。
仕方がないので早々に下山して来ると、1時間もすれば晴れ間が見えてきた。
意外と位山への戻りはアップダウンもそれなりにあって長い。
晩秋となり落葉も目立ち始め、山の色彩は少しずつ影を潜め始めたが
新たな白い季節にこの辺りを再訪してみたい。
侘び寂びを感じる展望台に戻り、大きく休憩して下山する。
こっからだと大日ヶ岳とかが見えてるんかな。
向かいの船山も合わせて、一度にこの3つの山を登ろうと思っていたが
25km程歩いたらその気も失せてしまった。
また訪れるきっかけが出来たことに喜ぼう。
秋の木陰の気持ちよさはここで寝過ごしたいと思えるほどだ。
睡眠の秋、読書の秋、でもやっぱり食欲の秋が一番好きだ。
下山して高山に来たらお決まりのトンカツを食べ、
四十八滝温泉で疲れを癒して日暮れに帰宅した。
今年もあと2ヶ月もすればスキーの時期。
この山に来て慣れない滑りで転げまわるのもそれはそれで悪くないかもしれない。
おわり。