11月に入り過ごしやすい季節となり、いよいよ山巓に白雪が降り積る頃…
と思っていたら季節外れの熱波により30℃近い。なんじゃこりゃ。
こんなポカポカ陽気には奥秩父に行けば間違いない。
昨年行った和名倉山へ再び訪れました。
雲取林道の大洞ダムから取り付くナシ尾根で登り、仁田小屋尾根で下る周回。
鮫沢ゲートの手前から通行止め、1km程度なので大したことはない。
ナシ尾根に関しては奥秩父の廃径・古道を纏めているサイトが詳しい。
(サーバーの問題で何故か404 Not Foundになります。https://のsを手動で削除して下さい。)
今では辿る人も散見されるが、60年前まで名前がない尾根だった。
大洞ダム竣工(1960年)後に少しずつ登山者にも辿られるようになっていく。
昔は大洞川の渡渉を要し、ダムが竣工するまでアプローチが困難だったのだろう。
取り付きは脆い土の急登となり下りであまり用いたくない。
急登は道が錯綜しているが基本登りは迷いようがない。
右手が大崩れで開けた尾根筋が、無個性な檜林に少しのアクセントを添える。
和名倉山は林業開発が盛んに行われたことは二瀬尾根でも触れた話。
この尾根も支尾根含め伐採対象となり、多くの樹々が麓へ下ろされていった。
落葉の堆積した急登を抜けると枯死した笹原で景色が大きく開ける。
弾む息も落ち着くような長閑な景色が続く。
ここからは緩やかな稜線が続いていく。
冬枯れの森は日差しが差し込んで暑いほどだ。
ザフザフと蹴散らす落葉、秋晴れの朝方、自分一人だけの空間…。
無上の喜びとはこの一時のことか。
そんなことを考えていると下ってくる人とすれ違う。
かつての林業遺構はこれからもモニュメントのように残り続けるだろうか。
植生も広葉樹からカラマツが目立つようになってきた。山頂も近い。
若いカラマツの林を抜けて、ビクトリーロード…とはならず、
山頂手前は激しい倒木地帯で自然の筋トレ。
服ひっかけて破けちゃうので苦手なところだ。
流石に奥千丈岳ほど酷くはなかったけど。
グミを一袋食べ終える頃、山頂に到着。
一頻り休憩し、昼食にしようか悩んだが帰りも日が照って暑そう。
このまま将監峠まで行こうかとも考えたが、昨年の焼き直しも新鮮味に欠けるし
ここは往路と別の方向へ降りていく。
次回へ続く。