久しぶりの山、ということで結構ガッツリ登りたい。
しかし世はハイシーズン。混雑とは無縁の地はないものか。
そんな都合の良い山が北アルプスにはあります。今回は七倉岳です。
3:00発。
「北アルプスの中で有名な山は?」という不毛な問いに答えがないとしても
「マイナーな山域は?」と問われれば、
欅平~後立山連峰と、蓮華岳~烏帽子岳の区間がまず思い浮かばれよう。
近隣にブナ立尾根・裏銀座縦走路というビッグネームが犇めき合う中で、
主稜線ながらこの山域の往来は決して多くないが
花崗岩の浸食が激しく、それなりの距離を歩く実のある縦走が楽しめそうだ。
午後から悪天の為、今回は七倉岳のみを目的に。
夜が明ける頃に天狗の庭へ出た。
2453.6から右に巻いて尾根を乗越すと見えてくるのが針ノ木岳。
追いかけていくと幾許もせずに山頂に辿り着いた。
新鮮な立山連峰の風景。
風も凪いでいたが流石に氷点下近く。冬になればもっと着込めるが、
この時期はまだ慣れてないからか芯まで冷えそうになる。
薄雪と厳めしい岩稜からは、名前から溢れる爽やかさとはまた異なる印象。
上からは出発点の七倉山荘も見えた。
さて、小屋へ降りて朝食でも摂ろうか。
船窪小屋は小屋締めの最中、ベンチをお借りして湯沸かし。
寒空の中食べるカップヌードルが体に沁みる。
あまり来ない山域から、毎年行く山を眺める。
中央に大観峰が見えるってことは、あれが東尾根だな。
1時間ほどまったりしてから下山。
北葛岳へ延ばしても良かった気がするが、いつか縦走で廻ろう。
近場にあるマイナーだが面白そうな冬季ルートを観察していく。
冬に来るのも面白そうなんだけど、疲労困憊になるだろうな。
下りは順調…かと思ったが木の根で滑りやすくあまりスピードが出ない。
何だかんだ3時間かかって麓へ着いた。
だが全般良く整備されていたし、深い森で自然と嬉しくなる。
紅葉が美しい頃や厳冬に再訪してみたいと思える、実のある尾根だった。
七倉山荘でダムカレーを食べ、熱めの風呂で疲れを癒す。
その後は談話室のホラー漫画をだらだら読んでから夕暮れに帰宅した。
この時期一番怖いのは幽霊じゃなくて、雨天にR158を通る観光客の群れだよ。
あーもう上高地閉まるまでここ通るの億劫…。
おわり。