雪もあっという間に解け終え、春の芽吹きが山にも訪れています。
今年は数本の泊り山行をやって他はスキーの練習に充てよう、と計画していました。
まぁスキー熱がだんだん冷めていき、半端な結果になりましたが…。
その計画に入っていたのが、年末年始の八ヶ岳全山。
冬の3泊は初めてでしたが、非常に楽しい山行となりました。
そしてもう1つ触れたのが、岩坪山北尾根での焼岳。
年間何万人と訪れる新穂高で、岩坪山を知る者はどれだけいるだろうか。
地理院地図に記載はなく、入山者も1シーズンで片手程度。
北から直上する尾根はトレーニングに向き、更に焼岳へと繋がっている。
朝方中尾に到着。邪魔にならない駐車スペースに停める。
泊りどころか山自体が久しぶりだったが、四の五の言う暇などない。
林道を暫く歩き、北の少し緩い斜面から入る。
西面には顕著な緩斜面があるが、かつてはスキー場だったそうだ。
道中見られた柵の柱のようなものは、往時の遺構なのだろうか。
この山に人が少ないのは、眺望の利かなさによるのだろうか。
しかし人がいない分、より深く山を感じられるのは嬉しい。
無雪期には行く手を阻む藪も埋まり、1600mまで順調に高度を上げていく。
しかし1600mから先は最近の高温でザラメ化した雪に、数日前の新雪のオマケ付き。
地形図以上に立って見える斜面、谷には雪崩た跡が頻発して見える。
膝固め中に踏み抜いた時は肝が冷えた。
谷を挟み左から上がったが、右方から巻き気味の方が結果的に楽かもしれない。
予想外に手こずって12:50 山頂へ到着した。
1日目の体力面の核心は過ぎた感じだが、ここからの尾根も地味に歩き辛い。
ツリーホールに足を取られないようにしよう。
ここで初めて樹々の切れ間から荘厳な焼岳が眺望できる。
当山行の1ヶ月前にも訪れているが、やはり何度訪れても飽きのない山だ。
そして14:10頃に1952m直下で2084m先の斜面を見る。
道中頭に浮かんではいたが、ここで決めた。撤退だ。
今日中に2084mには届かないのはともかく、
翌朝向かう上部ルンゼの雪も落ち着いているのか怪しく、心が折れてしまった。
計画通りとはならず未達という結果に終わったが
冬季にも人が多い焼岳にあって、殊更静かなこの尾根は自分好みだった。
こういう実のあるルートを歩き通す力を付けていかなければならない。
帰りは尻セードを交えながら滑るように降りていく。
1000m登るのに7時間かかったというのに、2時間かからず車へ戻った。
翌日乗鞍でスキーに誘われていたが、免許更新のため泣く泣く断りつつ
ヤケになりながら久しぶりの寿司を貪り食らい帰宅した。
おわり。