アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2018年11月11日 二子山(坂本登山口)

 超巨大アスレチック。

 

やあやあ。

今週末は全国的に良い天気になり、僕も土曜日にでかける予定でした。

予定していた箱根古道巡りですが、物凄い人だかりが予想されたので一旦保留しました。

でもせっかくの快晴日なので日曜はどこか行こうと思って、車を走らせた先は埼玉県小鹿野町

今回は埼玉の山奥に聳えるロッククライミングの名所、二子山です。

 

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二子山。西岳1,165m東岳1,122mからなる双耳峰。

秩父山系に多い石灰岩で構成された、ロッククライミングの対象とされる岩峰。

脆く風化が激しい石灰質の鋭利な岩壁を身一つで登ることになる、登攀経験者向けの山とされる。

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前日深夜に出発。戸塚を抜けて横浜新道を通り、関越道を走り高坂SAにて夜更けまで休憩。

5時半過ぎに起床して、花園ICで下りて皆野寄居有料道路を通り、7時頃に小鹿野町坂本に到着。

 

二子山と名の付く山は箱根等、日本に数多く存在します。まあ双耳峰なら大体似たような名前になりますからね。

埼玉では横瀬町にもう1つ、二子山があります。

そちらは横瀬二子山として区別しているハイキング向けの山だそう。

 

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7:15 坂本登山口

到着時には既に8台ほど停車中。

登山口から取り付き、山頂までの距離が短く時間に余裕があるので、もっと遅い時間に来る人の方が多いみたい。

 

入山者はこのカウンターを押してから登ります。僕が押して1999

ノストラダムスかよ、と滅亡の不吉と一抹の不安を感じつつ、登山開始。

 

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坂本からは沢沿いを歩きながら、西と東の分岐点までそこそこの登りにかかります。

林道をもっと進んで裏側の駐車場から登る別口の方が早いです。

坂本から6kmくらいあってスペースが無かった時が困るので、こちらから登りましたが。

体力消費するタイプの登り。進むにつれザレた急登になる。

 

8:00 股峠

ここから帽子を脱いで、ヘルメットを装備。

荷物をデポして体力が残ってるうちに、まずは西岳から登り始めます。

 

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西岳案内の看板。

二子西岳と言えばそこそこ知名度が高く、その所以がこれ。

巻き道で迂回して鎖場で登る青の一般コースと、切り立った垂直の崖を鎖無しで直登する赤の上級コース

僕は今回は赤で登って青で下るルートで登ろうと思います。

 

樹林帯の目立たない場所で分岐するので、道沿いに行くと大体一般ルートに着きます。

上級ルートを一見分かりにくくしてるのは、不用意に近づかせない為だと思いますが。

 

あとヘルメットしてこないで登る人いましたけど、迷惑なのでやめてくださいね。

ヘルメットは滑落より落石の防御が主ですから、自分が気を付けても関係無いですし、

事故が起きたら何より地主さんに迷惑です。

 

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上級コースの入口。

元々ここは鎖を設けていたそうですが、不評につき外されたようです。

わざわざ難しい方を選びたい、ってのはスリル好きの自分には少なからず心当たりがあるので、

深く追及はしませんが、(3)はもう登山やめた方が良いんじゃないかな。

 

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さて、岩峰の取り付きを垂直に登ります。

ここまで少し上ってきたので、東岳方面の強烈な岩稜が見えてきます。

こっちから見るとさながらナイフリッジ。そこまで足場が狭いわけではないのですがね。

 

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垂直に登る鎖無しのロッククライミング、と言うと「神々の山嶺」に出てくるようなのを想像してしまいますが、

実際のところスタンスはしっかりしており、チェーンスパイクに引っかかれたような傷が散見されるので、足運びは楽な部類。

あくまで登山の範疇にあることが分かります。

ただ、滑り落ちたら大事故確定なので、慎重に登る。

さながら大自然のジャングルジム。

 

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石灰質で脆く風化している為、天然にできた刃物のような岩を掴みながら登る必要があります。

グローブしてこないと手がズッタズタになるので忘れないようにしましょう。

僕も忘れずに持ってきました。朝食は忘れたけど。何でそうなるねん…。

 

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垂直の岩壁を登り終わって、稜線に出たところ。

稜線に出た後にもう少し進むと、看板の立つ山頂が待っています。

一般ルートと合流して、山頂までに鎖場がありますが、稜線から外れるような道、滑ったら下までノンストップなので地味に怖い。

滑落っつーか墜落だな。

 

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9:20 西岳山頂。

 

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何で朝食持ってこなかったんだよ、お前!

ばかだねぇ。じつにばかだね。

 

中央やや左に見えるのが日本百名山両神山

八丁尾根は一度歩いてみたい鎖場の名コース。いずれお邪魔することになるかもしれませんね。

中央手前の紅葉筋と緑のツートンカラーは志賀坂諏訪山かな?

奥は群馬方面。西上州にも行きたい山があるので、楽しみですね。

 

 

 

この先は、冒頭で話した裏側の駐車場に出る稜線伝いの破線ルート。

裏側に止めたなら、東に登って西に登り返し、この破線を通って下山するのがメジャーなのかな?

通ってみたい気はしたんですが、いい加減デポした荷物を取りに戻らなきゃならないので股峠まで帰ります。

荷物置いてくると不安にならない?まあ貴重品は流石に車に置いてきてるけどさ。

 

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景色を堪能したところで、稜線途中の一般分岐まで戻ります。

この崖を下から登るクレイジーなクライミングルートがあるとかないとか。

最近はアニメで異世界転生が流行ってるみたいですが、現実ではヤギが人間に転生するんですかね?🐐

 

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さて、下山は登りより細心の注意を払って行いましょう、ってね。

単純に両手両足を使える登りよりも、片足が常に浮いている下りの方が圧倒的に事故率が高いです。

岩峰ではないですが、今年の富士山の負傷率の8割強は下山時によるものだとか。

富士山 けがや体調不良 85%が下山途中 | NHKニュース

あんなザレた山下ってたら、そりゃケガしますって。

 

そうそう、特に危険だなと思ったのがこれまた石灰岩の足置きですね。

一般ルートは上級ルートに比べて登る人も多いのか、岩が研磨されたようにツルツルしてる場所がいくつもあります。

そういう場所に鎖に体重をかけながら足を置くと、滑らせた拍子に腕の腱を痛めかねないのでね。

雨降ったら絶対登っちゃダメですね。

 

 

 

9:40 股峠。

ポカリと柿の種で補給しながら、今度は荷物を持って返し刀で東岳に登り詰めます。

後から思いましたが結局股峠に戻ってくるなら、持たなくても良かったですね。

でもケガした時のリカバーを考えると、応急セットが入ってる荷物がないと困るので、

こういうところではウエストバッグがあると便利かもしれません。

 

東岳は股峠からは1本道なので、西岳上級よりもすれ違う人は多くなります。

毎回僕は登り優先とか関係無しに、脇に避けて危険が無いならさっさと通しちゃうんですが、

皆さんはどうしてるんですかね?僕は単純に休憩だと割り切ってますけど。

 

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稜線に出る。

東岳の鎖場ですが、一か所金具と樹木に固定されたトラロープの場所があります。

あれは触りたくねーなあ。

 

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振り返り西岳を望む。

写真だと分かりませんが、ちょこちょこ上級コースで登ってる人が見えます。

 

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ちなみに上級ルートはこんな感じらしい。

左側で取り付いてる人がいるように見えるのは...僕の気のせい...?

ヤギ人間を観察できるのは二子山だけ!🐐

 

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10:15 東岳山頂。

 

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御荷鉾山系方面。

目視で目立ったピラミッド型の山はどこだろう。

西上州に行く時に調べてみようかな。

 

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西岳と両神山方面。東日で撮影しにくい。

いつものシートを岩に敷いて座って休憩します。

この二子山は1000m級で周辺の山と比べても特筆して高いわけではありませんが、

隣接する山に遮られない形で聳えているので、非常に眺望が良い。

ロッククライマーに人気なのは、この景色の良さも関係しているのでしょう。

小鹿野町方面も場所によっては見えるのでしょうが、太陽光で全く見えないのがちょっと想定外でした。

 

11月下旬ですが目立った樹木がないので直射日光で少し暑いくらい。

15分くらい休憩した後下りようと片づけたら、シートが破れてました。

 

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こうやって見ると両神山の稜線のキレっぷりがえげつないですね。

 

10:50 再び股峠に戻ってきました。

大満足の山登りをして、かつこの短さ。

秩父に来たことですし、少し寄りたい場所もあったのでそろそろここらでお暇と致そうかなと思い、下山します。

 

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二子山の紅葉は西沢渓谷より少し遅く、今が本番と言った形でした。

またこの山はニリンソウの群生地のようで、シーズンには結構来訪が多いんだとか。

 

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この時間に登っても余裕で下山できるので、僕が下りる頃に登りですれ違う人もちらほらいらっしゃいました。

皆予想外の登りにヒーコラ言ってましたが。

 

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沢の水。

天然にできた堤が下流にあるので、魚の影は見られませんでした。

この水の行き先が気になるところです。

 

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11:40 坂本登山口。

下りが一番疲れた気がする。脹脛に来るね。

 

登りの時には人類滅亡の年でしたが、降りてきたら近未来へとジャンプしてました。

僕の登山スキルもこれくらいチョロッと上昇してたら嬉しいんだけどな。

 

来た時よりも路上駐車は多かったですが、埋まってた駐車場がガラ空きだったので、

早く来た人はさっさと帰ったみたいですね。この人捌けの良さも潔い山だと思いました。

 

二子山上級の感想ですが、言われている通り非常に登り応えがあって、スリリングな岩峰登山を楽しめました。

強烈な高度感を楽しめる良い山でした。僕は年中ぼっちソロですが、ザイルを付けて歩かれてる方々もいらっしゃいましたし、

ぜひ登攀経験者の方と楽しんでみてはいかがでしょうか。

ヘルメットとグローブは絶対忘れずにね!

 

 

 

この後はとりあえず温泉に行き、埼玉観光に勤しみます。

ということで後半へ続く。