前回の続き。
未明から地味に風が強く、微妙に寝不足のため、
出発を1時間ずらすことに。
3時半起床、のんびりテントを片して朝日を眺める。
夏でも未明は少し肌寒い。この時期、ユニクロのULダウンは重宝します。
テン場すぐ後ろにある涸沢岳の頂で、
自分が昨日歩いてきた吊り尾根を眺める。
雲海に浮かぶ富士を眺め、願わくば茶でもしばきたいところ。
頂から今日歩く稜線の長大さを目の当たりにする。
というか当日になって「これ歩けるんだろうか…。」とか思ってました。
まぁキツかったら南岳でエスケープしましょ、とポジティブに考えて出発進行。
人によっては大キレット近辺よりも難しいとか言われるところです。
早朝のウォーミングアップにちょうどいい長さ。
全体的に山行中は快晴の中、風もそれなりにあったので
暑さはさほどでも無かったです。
ただ首が猛烈に焼けて、3日目にしんどい思いをしました。速乾タオルじゃ防げねぇ。
後日BUFFのネックカバーを購入。
元々冬用に黒色を持ってて、焼岳南峰で使ってはいたのですが
結局暑苦しくて止めたんですよね。バラクラバとしては中途半端だし。
早速この間使ってみたらあまり暑さを感じなかったので、使い方次第なのかな。
7時頃に北穂に到着。
ここから核心、大キレットに向けて下ります。
今回は穂高から槍への縦走でしたが、
下りの危険性からか、ガイドではしばしば逆が推奨されているらしく、
今回も飛騨泣きの辺りで槍から来た人達とすれ違う。
特に行き先を聞いてませんでしたが、もしジャンダルムを経て西穂高岳へ行く際、
逆なら3泊ですが、槍からは2泊も十分可能となるので
それ狙いの方もいらっしゃったかもしれません。
飛騨泣きは一ヶ所足元が見えないボルトがあって緊張感。
すれ違いが多く、長谷川ピークまで結構時間がかかってしまいました。
大キレットからは梯子を登り上げ。
日も上がって気がへばってましたが、いざ取り付くと難も無く。
梯子はすぐ高度が稼げるので好きだぞ。
南岳小屋でお昼前。売店でコーラを購入して暫く休憩。
山頂からは朝から歩いてきた岩稜がドドーンと。圧倒される。
ここまで来れば喉元過ぎたということで。
槍ヶ岳へ向けてのご機嫌稜線をひた歩きます。
右手に、紅葉の時期には素晴らしい景色となる本谷カール。
横尾本谷右俣は今年の計画の1つ。黄金色の草花を眺めたい。時間が取れるかなぁ。
稜線から山小屋を遠望するの好き。
大きな岩壁にへばり付くような殺生ヒュッテ、ヒュッテ大槍。
もしテント場が埋まってたら、あそこまで行く必要が。ちょっとそれは辛い。
中岳を越え、南岳から1時間半、大喰岳から槍ヶ岳山荘を捉えました。
良かった、テン場はそこそこ空いてる。少なくとも今日の宿の心配はなさそうです。
飛騨乗越から小屋に向けてのラストスパート。
歩いてみれば9時間半、時間はともかく距離はそこそこあったので疲れた…。
小屋の前のテーブルでラーメンとコーラで遅めの昼飯。
残ってた昨日のご飯で雑炊も作っちゃうぞ。
レトルトご飯ってクッカーに入らないという致命的弱点があるのですが、
これはディープ13にすっぽり入る大きさでイチ推し。
10分茹でれば米が食える。米が有ると体力の回復具合が全然違う気がする。
めんどくさい時は袋ラーメンの〆にブチ込めばすぐ食べられるし。
小屋前から見える景色に麻痺しそうですが、
まるでファンタジーの世界観。陳腐な表現ですが。
受付してゆるゆる設営。
…なのですが、指定地が超あっちい!
稜線のテン場だから仕方はないんだけど、蒸し殺されるレベルの暑さ。
とてもそのまま寝る気になれず、日陰で小さくなってました。
日が落ちる前に槍への登頂も考えてましたが、どうせ明朝に登るし、
ゾロゾロと登る様を見てウッとなったので大人しくしておくことに。
だんだん雲も出てきましたし。
穂先の裏の岩に乗って、硫黄尾根を撮影。
ギャリギャリした赤茶けた稜線。いつか行きたいところの1つです。
ぼちぼち撮影して就寝。常念の方は通り雨があったようです。
そして就寝しようとした時に地震がありました。
ドンッと揺れてめっちゃビックリした。
幸い岩が崩れるなんてことはありませんでしたが、行動中に揺れないでよかった。
結局このヒヤリも、僕の睡眠欲には到底叶わず、この日は快眠できました。
次回へ続く。