あっという間に1年の3割が過ぎ去り、恐れおののいている今日この頃。
好天の週末は涸沢を考えていましたが、何だかノリ切れない…。
しかし家に居るのも気が塞ぐので、土曜はマイナーな滝を見てきました。
日曜はこの時期に毎年行っている医王山へ。
いつもの金山峠に車を停めて歩き出したのは正午を回ってから。
もうこの時間だと粗方人も帰って、静かな山歩きを楽しめる。
石川と富山に跨る花の山。
この時期は取分け多くの花々が目を楽しませてくれる。
三荷葉、筆竜胆、岩鏡…。この山の猩々袴は色白美人さんが多い気がする。
乾いたトレイルを降りて、豊吉川出合。
初夏は涼を取る人で賑わうが、流石に源流も雪が詰まって沢登りにはまだ早い。
分岐は眺望も見事な鳶岩へ行こう。
難しくないが高度感がバリバリな鎖場は、地元に欲しいルート。
暖かな日差しで日向ぼっこ。早春のご褒美。
まったりしながら歩いて、13:00頃に鳶岩の天辺に到着した。
900mそこらとは思えない見事な眺望を楽しめる。
大沼は2年前に行ったが、また再訪したい。
その頃の話もまだしてないな…。結構個人的には好きな山行だったから今度にでも。
さて、ザレた道を過ぎればご機嫌なトレイル。
時折吹く風まで心地良い。
「山歩き」というジャンルで医王山ほど親しみのある山は、なかなか思いつかないくらい。
雪椿、黒文字、白花錦衣。
スプリングエフェメラルもそろそろ幾許もせず来春まで身を隠すことだろう。
また来年もお会いしましょう。
30分ほど登れば展望がガッと開け、金沢市街地のビュースポットへ至る。
今日は弁当も持って来ていないのだが少し後悔した。ここで食べると一層美味い。
末端のこの山から、果ては白山まで延びる両白山地の稜線。
未だ深い銀嶺の輝きは春霞に阻まれていたが、それでもその存在感は犇々と感じる。
帰りは夕霧峠側へ落としていく。
道中の蛇尾テラスは簡素ながら好展望の休憩所で、
次に訪れればマットでも持って来てひと眠りしたい。
照り輝くビーチフォレスト。
ブナの若々しい葉は目も眩む美しさ。
少し残った雪で泥濘む登山道を駆け下りれば、唐突に舗装へと飛び出した。
峠の展望台から対岸の山を遠望する。
未だにこの辺の山の同定が不慣れだが、多分中央の扁平な辺りは赤祖父山だろう。
帰りは舗装を20分ほど上げ下げして駐車場へと帰還した。
新緑の瑞々しいエネルギーを思う存分浴びた、晴れ晴れした里山ハイク。
まだ見ぬ山に惹かれがちだが、近場の里山にもまだ見ぬ宝は埋まっている。
「未到」の響きに囚われず、一つ一つを大切にしていく山行がしたい。
焼肉食って帰ったら運動もチャラだけどいいのだ。
おわり。