アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2023年5月1~3日 新穂高~双六岳~鷲羽岳~槍ヶ岳 (1/3)

今年のGWは晴れが前半に纏まり、まさに行楽日和。

しかし薄給の三十路独身男性に遠出する財力などあるわけがないのだ。

本当なら、和歌山や東北に行ってみたかったですが。

 

「近い」「金がかからない」「山」と言えばやっぱり穂高近辺。

つくづく山には恵まれている…。

今回は黒部源流をフラフラしながら槍ヶ岳を目指しましょう。

 

3:30頃 双六岳へ向かう。

今冬は殆ど山に入れていなかった分、少しでも体力の低下に抗おうと

4泊5日の行程を立案。

三俣蓮華岳東面に定着して水晶岳黒部五郎岳、あわよくば最奥地

高天原温泉へ行けないだろうか、と妄想した。

 

遥かな稜線に槍ヶ岳

5日分の荷を担ぎ、秋に歩いた道を詰める。

 

左に連なる谷筋では底雪崩が頻発し、堆積したデブリが畝る迷路のよう。

それでも夏道を歩くよりかは楽ができる。

 

既に秩父沢に穴が開き始め。雪は固まって歩きやすい。

雪崩の集積地シシウドヶ原まではスピード勝負。

未明から歩き続け、秩父沢を早めに抜け切る。

 

秩父沢の源頭、秩父岩。

秩父岩が赤く灯る。

前日は穂高も豪雨、ライブカメラには濁流が映っていたので懸念もあったが

思ったよりコンディションは悪くない。未明の冷え込みが良く効いたようだ。

 

6:00 シシウドヶ原から目指す稜線。

あまりにも悪ければ左岸尾根を詰めようか考えたが、早く抜けてしまおう。

左の脆い岩場から小石がボロボロと落ちてくるので自然と右に沿ってしまう。

 

振り返る。

見えてからの稜線は長く、日照は融雪を大いに捗らせる。

長居するだけリスクが高まるので「慌てず急ぐ」これ大事。

 

最後の登り。

稜線付近は少しだけなだらかになるので一息付く余裕も生まれる。

 

大ノマ乗越から。

ウィペットを使って這い上がれば、槍穂高がお出迎え。

この時期山スキーヤーに人気の山域だが、これを眺めての滑走は心躍りそうだ。

 

すんばらしい。

無風の雪稜は写真からは想像できない程暑いのだが、

2年前素肌で4時間歩いただけで火傷レベルの日焼けを受けたことがあるので、

バラクラバと手袋は外せない。

 

暫く腕が痛すぎて、袖のある服を着るのも辛かった。

 

弓折岳より。

 

弓折岳はプライベートサンセットビーチ。

パラソルとリクライニングチェアでも持参してどうぞ。

 

鏡平。

鏡平から直上するルートもあるようだ。

初日で双六までが難しければ選択肢に上がるだろう。

 

笠方面。

振り返る。

笠ヶ岳は未到の地。夏シーズンの予定がまだ組み切れてないので、候補に入れておこう。

 

双六小屋と鷲羽・水晶。

稜線通しで双六小屋へと向かう。

以前に来た際にもテンションが上がった、ここからの景色。

幕営は見当たらず。皆昨日の悪天を避けた様子だ。

 

双六谷。

足が痛くなるトラバースを過ぎて、小屋へ到着したのは9:00を回ってから。

夏道の倍近くをかけた。やはり体力の低下は目下解決すべき課題。

 

小屋。

一息。

今日の目的地は三俣の東面。このまま進めば昼過ぎには到着するだろう。

しかし融雪が捗りすぎる。凄まじい熱さだ。

 

籾沢岳とか。

双六の直登が猛烈に緩んでいる。

今日は午後からこの晴れが嘘のように荒天となる予報。

稜線上で捕まるのも御免だし、そもそも三俣付近は風抜けが猛烈に良い。

 

双六岳は明日ね。

諸々の事情を考慮して、幕営はせず双六の冬季小屋に逃げ込むことにした。

つらつらと言い訳を述べたが、要は久々の暴風テント泊に臆したのだ。

この時期の北アルプスに入る心構えが不十分だった。

 

今日のお宿は冬季小屋。

早めに良い位置を確保して、ダラダラと過ごしていると続々と同好の士が訪れる。

予報通り午後から次第に風も強まり、夕方には荒れ狂う風に戸も揺れた。

 

三俣に張れなかった時点で3泊に切詰め、水晶と黒部五郎は見送る予定でいたので

悪天で避難してきた若者2人にカレーメシとチョコレートを消費してもらう。

翌日の水を作り、日暮れには就寝を済ませた。

 

次回へ続く。