アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2024年6月8日 甲斐駒ヶ岳

6月初旬に甲斐駒ヶ岳へ行ってきました。

 

朝を迎える。

3:01発。夜闇の急坂を無心で登り続ける。

 

2021年GW、小淵沢から甲斐駒ヶ岳

日本アルプスで最も代表的な金字塔は、と問われたら、
私は躊躇なく甲斐駒ヶ岳を挙げよう。
(略)
もし日本中で十の名峰を選べと言われても、私はこの山を落とさないだろう。

                         (深田久弥日本アルプス』)

 

あれが鳳凰三山

名山の綺羅星を抱える南アルプスだが、訪れたのは初めてだ。

イカーアクセスが悪いことを言い訳に寄らずにいた。

聞けば甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根は早月尾根に比肩する、とのこと。

 

五合目より梯子の連続。

苦しい登りが延々と続き、梯子や桟橋で縫うように攀じ上がる。

五合目の半ば辺りが特に苦しい。

 

6:51 七丈小屋。

小屋は通年営業しており、冬も人が絶えないようだ。

ベンチで良く冷えたコーラを飲んで生き返る。

 

山中にある剣。

麓から天に向け立上がるこの峻岳は、山岳信仰の場としても栄えた。

その名残の剣や夥しい石碑を側らに、山は当時と変わらぬままで在り続ける。

 

八ヶ岳

剣には迷いや煩悩を絶ち、大願成就を祈念する意味があるそうだ。

敬虔な信徒により奉納された山は全国数多点在するが、

ここまでの数が今も残るのは、関東圏では当山くらいだろう。

 

これが見たかった。

国師ヶ岳天狗岩のような、モニュメントとして残るものもある。

 

 

ライチョウさん。

一通り岩場が終われば狭小の広場で、ここで一呼吸を置けば

長らく見ていなかったライチョウを久しぶりに見つける。

 

8:38 山頂。

山頂に着くと風が雲を払う。

始めて来る山域は、やはり晴天でありたい。

 

仙丈ヶ岳

嫋やかなカールを抱く仙丈ヶ岳

 

鋸。

それと対となるような、荒々しい鋸岳

 

七倉岳から眺める針ノ木岳のような威風堂々とした山容。

 

降りるか。

さて、ここから日向八丁尾根での周回を予定していたが

鈍った体にはしんどそうだ。雲も湧き続け景色も望めないだろう。

実際、稜線はここから一気に曇りがちになったらしい。

 

垂直。

往路を返すが、なかなか苦しい。標高を落としているはずだが

一向に着く気配がないのは早月尾根に近い感覚。

 

5.12bくらいありそう。

風そよぐ森、春蝉のコーラス。

緑のオーケストラに讃美して小走りで降りていく。

 

無限に続く下山道。

最後の500mは本当に苦しかった…。

振り返ってみれば登りより遅い。岩がちな下りは殊更苦手だ。

 

14:15 おつした。

初夏と思えぬ大暑の渓谷、この尾根は当分御勘弁願いたいが

初めて訪れた絶佳の南アルプス、永らく記憶に残るだろう。

今度はどこに行ってみようかな。

 

翌日は斑尾山の予定だったが、疲労困憊の為帰宅して爆睡。

おわり。