前回の続き。
5:00起床。今日は程々に帰る予定だが、何もしないのも物足りない。
とりあえず荷を片して、靴を濡らさない薬師沢出合付近で振ってみる。
大きな淵では興味深く眺めてくる子もいるが、やはり出てこない。
昨日の小屋下でボロボロのアントを流すと、綺麗な魚体が出てきた。
拙いながらも楽しめる、このような所は末永く残ってほしいものだ。
とりあえず満足したので帰ることに。
既に日が出て暑いが、花々を見るのも忘れてはいけない。
一際咲き乱れる金光花の絨毯が棚引いている様は美しい。
飯子菜もこの白と黄が多い花々の時期に良いアクセントを注す。
軽いアップダウンを加え、40分程で薬師沢を渡る。
登山道の間から、竿を出したくなるポイントが見える。
そのすぐ近くの橋の傍で、ゆったり泳いでいる綺麗な子がいた。
本流では評判だったアントには目もくれない。
微妙に食べるものが違うのだろうか。そういう所も渓流釣りの面白さだ。
まるでカゲロウのように浮かぶ白毛鉤を流してみる。
目の色を変えて飛びかかり、水面を割ってきた。
満足して納竿。
最後の登りに入るがこれが凄まじい暑さ。
木陰で適宜水分補給をしながら滴る汗を拭い、僅かな微風に慈悲を感じて手を合わす。
10:00過ぎ 小屋でラーメンを平らげ、フルチャージ。
陽光遮る雲が頼もしい。幸いにも樹林帯まで幾分か涼しく過ごせた。
13:00 登山口へ着。
この後は風呂に入り帰ったが、2時間程経てば土砂降りとなったので
やはり程々で切り上げて正解だった。
綺麗な渓魚にも出会えた充実の2日間だった。
また戻りたい。
…いや、片道4時間歩くのは結構…うーん、でも今シーズンもう1度行きたい。
纏わり付く暑い夏に別れを告げたいと、冷房の効いた部屋であの流れを想う。
おわり。