9月初旬は沢から百名山。
先月の木曽駒ヶ岳は渓中泊も絡めた緩やかな沢旅を楽しめました。
今回は初めての乗鞍岳です。
乗鞍の西~南面には幾つか沢が延び、好事家の対象となっている。
阿多野郷(あだのごう)川は南面に端を発する小渓を合せて飛騨川に落ち、
その本流に当るのが真谷(しんたに)。
5:35 Aimix奥の登山口に駐車し、林道真谷線終点から下降して入渓。
至って穏やかで竿を出したくなるが、不思議と渓魚の影はない。
下流のダナの滝が魚留めになるか、或いは火山にありがちな水質に依るものか。
早朝の張詰めた空気が解ける頃、幾つかの小滝を越す。
この沢は小規模ながら、入渓点~稜線までの3km弱で標高1000mを落とす。
7:00 立派な段瀑。直登できて楽しいが、流石に寒かった。
暫く大小の滝が続く。両岸は豊かな森に囲まれる。
熊もひょっこり飛び出しそう。時折笛も吹いてみようか。
たまに足の付かない釜に浸かる。
専ら癒しムード。
10m滝を右岸支流から越して稜線を望む。
一層深まる谷。この沢でも一際大きな滝を落とす。
このトイ状大滝は多少ヌメるが水線通しで登れるようだ。
安牌を取り左岸草付きから樹を伝い、容易に巻く。
この沢のハイライトとなりそうだし、次回来るなら挑戦してみたい。
抜けた先は源頭部の様相。
ここから地質が変わるのか赤茶けたナメが見える。
この地質が水に関係して、渓魚の生育に適さないのかもしれない。
稜線が近付く頃、立塞がるように壁滝が掛かる。
小さく巻けそうな左岸から巻く。そして途中でガッスガスになって困りもの。
幸い少し晴れた隙に沢筋に復帰。
後は詰め上がるだけだが残り200m、怠けた体には少し苦しかった。
ラストは藪漕ぎ皆無で稜線に合流。
本当ならこの稜線から素晴らしい景色が望めるはずだが真っ白け。
時刻は11:23、ひと休憩してから乗鞍岳へと歩むことにした。
次回へ続く。