やあ。
最近集落の話ばかりで、山関連の話がちっともですが
まあそれもそのはず、登ってないからです。
婆さんや、梅雨明けはまだかのう。
明日軽く登ろうかとも思っていましたが、急な用事で泡沫の如し。
それでも来週末からは陽気の兆しが見えそうなものですから、準備段階と割り切り。
とりあえず来週行く山のため、神社へ行ってきました。
2万坪余りの境内に連なる樹齢400~500年の杉の巨木群は
『芦峅雄山神社境内杉林』として県指定天然記念物に指定されているもの。
…という話は色々と小難しいので。
雨の日が続きフラストレーションが溜まりがちな昨今ですから
箸休めに立山に伝わる民話についてでもお話しましょう。
今回は北陸の二大巨頭の勝負『立山と白山の背比べ』です。
その昔、立山の神様と白山の神様はライバルだったそうな。
力自慢、かけっこ、知恵比べ、色んなことで競ったものじゃ。
ある時2人の神様は、どちらの山の背丈が高いかを競い合った。
これは麓に住む人たちも駆り出しての大騒動になったと言われておる。
肝心の背丈を調べる方法じゃが、
長い長い樋を2つの山のてっぺんに渡して、低い方に水が流れるという寸法じゃ。
さてさて、とうとう樋も完成し、待ちに待った日が訪れて、
いざ樋に水を流すと、立山の方へと水が流れ始めた。
「こりゃいかん。」と思った立山の村人は、樋の下にこっそり石を差し込んだ。
今度は白山の方へ水が流れ出したもんだから、
「おっととと。」白山の村人も石を差し込んだ。
すると水がピタリと止まり、神様たちの背比べは引き分けに終わって
両方諍いもなく大団円となったそうな。
以来立山や白山に登る際には石を持って登り、山頂で置いてくると
神様が願いを叶えて下さるという風習が今でも残されていて、
これが白山や立山で良く見られるケルンの由来ともされています。
同様の話は山を変え『富士山と白山』としても語られており、
そちらでは石でなく草鞋を差し込んだとして、古来富士山では草鞋を履いて登り、
下山時に片方だけ脱ぎ捨ててくる風習がありました。
最近読んだ本の中でこういう言葉を見かけました。
『昔はそりゃあ辛かったが、今の世にはなくなったものがあった。
今の世界で昔みたいな生活ができれば、どんなにか良いものか。』
昨今は殺伐と寒風吹き晒し、どこか息苦しさを感じてしまいがちで
消えゆく集落に住む人の言葉が身に染みるようです。
100歳まで生きる人も多い今の世、少しはボケーッと生きても
バチは当たらないんじゃないかな。
あ、梅雨はボケーッとしないで早く晴れてね!
次は山の話が出来たらいいな。
じゃね。