過去山行。もはや1年ぶりのだけど。
夏季に1度登った阿弥陀岳南陵。冬季は主に駐車場までの除雪次第でしたが
1月末にもなればだいぶ落ち着いてるだろう、と考えて行ってきました。
薄暗い舟山十字路を出発して旭小屋まで無心闊歩。
前々日かのトレースを外して適当なところから直登して尾根に上がる。
藪の目立たない時期なら適当に渡渉点辺りから上がった方が楽なのだろうか?
森林境界の尾根の急登は、1年半前にテン泊で登った際より足が重い。
「こんなに長かったか?」と悩んだが、
1年も立てば辛さも喉元どころか大腸まで通り過ぎたのだろう。
苔の雰囲気が良いトレイルも雪の下。息も切れ切れ。
だがここから先は展望も開ける。ご褒美の時間だ。
振り返れば、権現方面の岩峰が背中を押してくれる。
テン場適地の青ナギからの景色は『孤高の人』の世界。
風はそれなりだが雪は安定している。
南八ヶ岳の白嶺の奥からは富士が覗き込む。
縦走している人はいるだろうかと眺めたが、とりあえず人影はないみたいだ。
赤岳南面の厳めしい山容もハッキリと一望できる。
やはり雪がしっかり乗るのは2月頃からなのだろうか。
時折樹林帯を挟むが、木が切れると風が吹く、その繰り返し。
この頃は今の防寒システムも構築不足だったのでかなり寒かったのを覚えている。
それでも景色の良さで体力はフルチャージ。
この風ならガスも気にしなくて良さそうだ。良い日取りだった。
P3の基部でトラバースしてガリーへと向かう。
夏季は人が居てプレッシャーがあったが、この日は1人だけ。ご機嫌な時間だ。
ワイヤーを伝うとガリーに到着する。購入したばかりのGhostを出そうと思ったが、
1本で大丈夫そうだ。
軽くて打ち込み易い。バランスの良いピッケル。
良く締まり凍り付いてもないので簡単だが、高度感は抜群だ。
万一滑れば超特急で地面と激突するだろう。
稜線に乗り上げて一服。白銀の雪稜、静かな山巓、幸福なひと時を堪能する。
気が抜けそうだが、P4はハング気味の岩壁トラバースでミニミニ下ノ廊下。
ザックをぶつけないようにおっかなびっくり通り過ぎる。
P4を抜けた山頂の詰めは意外と一歩が高くて安定性に欠ける。
2本持ってきているなら出すべきだった。面倒だと思うのはよろしくない。
一段落して静かな阿弥陀の頂に立つ。終日天気が良く最高の山行だった。
夢中でシャッターを切り続けると、バッテリー切れ。
今後はカメラ用のAnkerも持ってこようと反省した。
阿弥陀から眺めた赤岳は流石の主峰の貫禄と言う風体。
赤岳も行こうと思っていたが、少々億劫だし早めに下山しよう。
帰りは御小屋尾根で下る。登ってきた人に挨拶を交わし、
長ったらしい下りで少々変な沢に入り込んだりとあったが12:00頃には下山。
降り口近くの蕎麦屋で昼食を食べて、夕暮れ頃帰宅した。
おわり。