アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2023年7月22~23日 真川岩井谷 (1/2)

ギラつく陽射しで髄液も泡立ちそうな真夏日、平地にいるなんて自殺行為。

北アルプス真川岩井谷沢登りしてきました。

 

岩井谷橋。車両によって橋が分かれてるらしい。

前夜有峰に入って就寝。夏でも夜は15℃、薄着では肌寒いくらい。

翌日折立を5:15発して林道を5km歩き、1時間で入渓点に到着。

 

NewK。堰堤は全て容易に越えられる。

明瞭な踏み跡を辿ると、前日から入っている釣り師2人と遭遇した。

挨拶を交わすと快く先を譲ってくれた。ありがたい。

 

堰堤を簡単に越えて入渓。新しい踏み跡があるが、多分前日のものかな。

 

たまらん。

岩井谷という名は適切だと思った。

壮大な岩と、盛んな奔流と、函のような深淵が連続して、

その頂点に名山の姿を配している。真川第一の美渓であり豪渓である。

                                                                                     (冠松次郎『山渓記 第1巻』)

 

巨岩帯が全体の80%を占める沢。

何トンもの巨岩が所狭しと犇めき合うボルダーチックな渓、

開けた谷で明け方でも思ったほど寒くない。

水嵩も深場で腰上~腹程度。

 

尤もこれだけの巨岩を上流から押し流しているのだから、

豪雨時は正しく『岩摧き』と呼ばれるに相応しい水勢となるだろう。

 

こういう所を見ると竿を垂らしたいね。

時折薬師の深い森林に育まれた渓魚が跳ねる。

どうせへなちょこの腕では釣れないと竿を置いてきたのが惜しい。

入渓から1時間半で鳶谷出合を通過する。

 

おほー。

左へ右へ渡渉しながら。越えられない程の巨岩も容易に巻ける。

翠玉色の渓水に目を惹かれながら遡って行けば、9:30 Co1560mの二俣。

 

エメラルドグリーン。

引き続き本流を遡って行くこと30分程、Co1680mの支流の出合で大休憩。

ここから先のゴルジュがこの沢の核心部で、翌日の行程も考えると

この日までに抜けておきたいポイントだ。急ごう。

 

10:00 そろそろ核心部。

情報では左岸・右岸どちらでも巻けるとのことだが左岸は顕著な岩壁が威圧的。

どちらにせよ藪から逃れられないなら、取り付き易そうな右岸にしよう。

 

支流の滝の方が立派だったりする。

支流を200m上げようか考えたが、トラバースは出来るだけ短く済ませたい。

 

Co1740m右岸草付きから大高巻き。

結局Co1740mの右岸草付きを上げていく。

鹿の糞も落ちていたので彼らの通り道でもあるようだ。

 

ドン突きの岩峰を乗越して下降…はとても気が乗らない笹薮のトラバースでパス。

崩れて崖になっている所も見えたので標高を30m程上げて様子見する。

 

一息つける所はごく一部。ほぼ全て笹藪。

深い笹の海を喘いで登る。雀蜂に纏われて肝を冷やしたが、

巣が近くにあるわけではなかったらしい。

笹の掻き分け方にもコツがあると学んた頃、降りられそうなポイントが見えてきた。

 

ガレルンゼを下りれば地形図にある滝の上に出る。

途端に藪が薄くなり、踏み跡らしきものを拾って下降していけば

滝上のガレたルンゼに出た。笹に埋もれて手足も切傷だらけだが、一安心。

 

13:30 ゴルジュを上から。何もわからんね。

2時間余りの大巻きだったので喉もカラカラ、暫し息を整える。

ゴルジュの大滝は一度下から眺めておけばよかった。次回の課題。

 

こういう滝もある。確か右から巻いた。

その後も続く小滝を越えながら歩くこと20分程、Co1835mに好物件を見つけた。

本日はここで幕営としよう。

 

Co1835mに良さげな物件。一通り整地して張る。

砂地を整えたが深く埋まった大岩があり、結局横の礫地を整えることにした。

 

一段落して焚火も起こそうと奮闘したが湿気て上手く行かない。

はいはいいつものやつね。次からブンタキ持ってこよう。

 

先にも適地はあったけど、ここよりスペースはなかった。

幸い、日は射さないが暖かいので服はすぐに乾く。

昼兼夕のラーメンを食べ、滔々と流れる川の音色を聞きながら寝袋に包まった。

 

クククク⋯ タフグミはビタミン・ミネラル・タンパク質⋯
そして塩分が含まれている完全食だァ

数時間起きに目が覚めるが、耳栓をしていればBGMも気にならない。

あと次は枕用に柔らかなタオルも持ってこようと思う。石が頭に当たる!

全く、猫又山を思わせるような寝苦しい一夜となった。

 

しかしこの寝苦しい鍛錬がいつかの冬に活かされるのである。きっと。

 

次回へ続く。