前回の続き。
5:00 野鳥の声で目が覚める。ミソサザイだろうか。
夜半はそれなりに冷えた。たっぷりのお茶を沸かして飲み、軽くストレッチ。
ゆるゆると撤収する。
早朝の水は思ったほど冷たくなく快適だ。
暫く小滝群を遡っていく。
深場も簡単にへつるか巻けるので、腹まで浸かって体を冷やすこともない。
ゴルジュ帯から先も変わらず魚影が濃いことに驚いた。
背を低くして、渓魚に気づかれないように観察してみよう。
右へ左へ移動しながら滝を越えていると、目の前で一際大きな影がさっと動いた。
尺は優に超えているだろう。この辺りの主かもしれない。
渓流は悠久の時が作り出した天然の遊び場でもあり、多弁な教師でもある。
地形一つ取ってもまだまだ知らないことが多い。
こんな大きなポットホールが出来るまで幾年の月日流れたのだろうか。
Co1900mから巨岩は少しずつ姿を消す。
程良い運動も終わり、ゆっくりと楽しみながら歩けば2時間が経とうとしていた。
天気が良くないとの予報は外れ、暖かな陽射しが谷筋へ入り込む。
稜線の猛暑も推して知るべし。まだまだ避暑を楽しもう。
変わらず泳ぐ魚影に心躍りながら、本流を進んでいく。
Co2110mの右俣で水を汲んで一休みしてから左へ。
詰め上がりは藪も無く、最後まで薬師の森林美を眺めながら気持ち良く登り上げる。
唐突に人工物が見えたと思えば、水場とトイレの間に出た。
藪漕ぎでボロボロになったタイツと沢靴から解放され、峠で大休憩。
峠では酒やコーラの販売をしていたはずだが、午後からのようだ。
薬師岳はこの暑さで登る気にならなかった。
3年間この時期に来てるので少々食傷気味。今年は秋にしようかな。
余韻に浸りながら天空の花畑を闊歩していく。
千手岩菲、立山竜胆…。今の時期は金光花が見頃だ。
名の通り金色にキラキラと照り輝いていた。
小屋でラーメンを食べて一段落していると、いつしか11:20を回っていた。
喧騒の太郎周辺に別れを告げ、そろそろ下山しよう。
盛夏の恒例となってきた北アルプスの沢、
今年はますます暑くなるそうだ。実際例年より遥かに暑い夏を平地で実感している。
アウトドア趣味な以上、暑さとは上手く付き合っていかなければならない。
今年は例年4回だった沢の回数も少し増やそう。
そろそろオロロが酷い時期になってくるので、奥秩父か北アルプスか…。
13:25 折立に下山して亀谷温泉に一浴し、夕方には帰宅した。
今週は久々に山のない旅行だ。またそれも纏められれば。
おわり。