前回の続き。
奥多摩への下りは大別して2つ。
鴨沢に下ってバスに乗るか、駅まで下る石尾根か。
今回は最後まで繋げたいので後者だ。
爽快な尾根を小走りで落とす。
澄み渡る山日和の百名山となれば混雑は必定、老若男女問わず大勢が押し寄せる。
深緑のグラデーションが奥多摩に来たことを実感させる、清涼な尾根道。
繁くすれ違う人々も、七ツ石山を境に少なくなる。
少し降ると七ツ石小屋だが、いちいち登り返すのが億劫で寄らず
更に先の水場まで我慢。
来たこともないのに皮算用は良くないが、
まぁ夏場でも生きてる水場なら、流石に春に涸れてるってことはないだろ。
千本ツツジを越えて高丸山への登りから、
心地良かった微風は樹間を通らず、蒸し暑い空気が纏わりつく。
気付けば雲取から2時間近く歩いてきたようだ。
水とジェルでやり繰りしながら日陰名栗山を乗越し、小屋まで下る。
尾根自体は見晴らし良く、良い意味で「奥多摩らしくない」。
杉林で覆われるのもそれはそれで暖かくて嫌いじゃないけど。
奥多摩、昨年もドライブで訪れたのだが
山自体は6年近く御無沙汰。三峯は年1で行ってる気がするんだけどな。
山を始めた頃に訪れた日の出山、御岳山、大岳山、鋸尾根を下って奥多摩駅へと…。
今思えば結構タフな長さだ。
さて、避難小屋に到着。
水場でたっぷり水を飲む。んまい。
小屋前で飯を沸かしていたら、小アブの類が鬱陶しくて閉口した。
んー、ちょっと我慢して鷹ノ巣山まで登った方が良いのかも。
補給も済んでフルチャージ、鷹ノ巣山まで一息で登る。
ここでようやく下る尾根の全景も捉えられる。
あと3~4時間ってところだろうか。
この辺りの森は若葉を蓄えて美しい。
これだよこれこれ。奥多摩とはこれ。
もうちょっと麓から近ければ、春のハイキングにピッタリだろう。
特に将門馬場の森がとても好みだった。
日原から直上するタル沢尾根で登り、この辺で昼寝して
鷹ノ巣山を稲村岩尾根で降りる周回も面白そうだな。
奥多摩を知らせる標識も現れ、いよいよこの山旅も大詰め。
六ツ石山に寄るのも忘れずに。
狩倉山から激下り。日当たりが猛烈に良くて暑いんだ。
ここまで落とせなかった標高がみるみる落ちていく。
杉の植林をひた下り、ようやく人里という辺りで見覚えのある景色になる。
そう、ここは5年前に来たことがあった。
当時と変わらぬ赤鳥居と祠、人去りし後も登山者と獣はこの村跡を歩き続ける。
ロードになってからも少しあるが、無事16:08 奥多摩駅に到着。
早々に荷物をコインロッカーに詰め、温泉に行くと1時間待ち。
GWの夕方、芋洗いだが飯も食えて言うことはない。
この日の宿は立川に取り、ランドリーで洗い物を済ませて熟睡。
翌朝韮崎から始発バスでみずがき山荘に戻った。
最近登れていなかった分、3日間丸々漫喫した山旅。
山を始めた頃に知った奥秩父縦走、行くぞ行くぞで早5年の月日が流れたが
当時行ってもここまで余裕をもって楽しみながら歩けなかったろうな。
奥秩父はまだまだ歩き足りない場所が幾つもある。今年はあそこに行こう。
決意を新たにして
おわり。