4月下旬に入る頃、甲武信ヶ岳へ登りました。
2年ぶりです。
三国の境に佇む山巓、そう言えば長野側から訪れたことはない。
南に延びる尾根上の十文字峠は石器時代には既に用いられていたとされ、
悠久の昔から、当山から落ちた一滴が日本一長い信濃川の旅路を始め、
その流れを汲む千曲川のほとりにて、島崎藤村は旅情の歌を詠んだ。
今回は田部重治が「もっともよい峠」と太鼓判を押す十文字峠への周回。
陽春の日向道、瑞々しき新緑。春の奥秩父を歩く喜びは例えようもない。
爛漫に咲き誇る石楠花の時節、また訪れてみたい。
早朝零下の谷筋、雪代、渓魚と戯れるにはまだ早く。
昼頃に下山し、のんびりと帰路へ。