アウトドアと飯のあれ

神奈川→富山在住の20代のアウトドアと飯と旅行のあーだこーだ

2019年5月21日 旧黒瀬谷村⑤東坂下集落

実は一発変換できる。

 

前回の続き。

 

開けた県道を走り、木陰の中に入って行く。

 

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東坂下(さこぎ)集落。

世帯数5、人口17名。(H27国勢調査)

富山難読地名クイズ大会が催されれば真っ先に出てくるので、対策しておこう。

 

『サコギ』は小さい河谷のことである。

                                                                        (『八尾町史』)

谷川(山岳の河川流域)を表す地方語が地名の由来となっている。

(狭+漕・扱?)

 

何故この漢字でこう読むのか。

何ということはなく、元々は『サコギ』に漢字を合わせて『坂下』だったのだ。

遠方から来る人には『サカゲ』とも呼ばれたそうだが、

近代に到って近隣の村との交流が栄えると、1つ問題が出てしまった。

実は近くに似た名前の『坂ノ下』(さかのした)があったのだ。

 

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カーナビのない時代、これでは郵便の人が困ってしまうのは言うまでもない。🏣💦

「坂下に住んでます」と手紙が来て、遥々遠路友人を訪ねた挙句、

反対側に行ってしまえば笑い草にもならない。

 

これではどうにもややこしいから改名しようということで、郵便業務が開始される頃

坂ノ下の東にあるので、『東坂下』と名を変えたと云われている。

別に1つの集落が分化した訳ではないのに

一方の名前がもう片方に影響を与えるというのは、全国的に見ても稀な話だ。

 

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そんな東坂下は『角川日本地名大辞典』『八尾町史』では

ヒガシサコギ』と記載されているが、そのまま『サコギ』で通じる。

 

漢字表記がややこしいだけで、読みで容易に区別できることから

ぶっちゃけると「東」でも「西」でも、「上」だろうが「下」だろうが

そこに然したる意味はなかったのだろう。

 

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集落の熊野神社は少し分かりにくい場所にある。

集落内の熊野神社

熊野神社根上(ねのうえ)・北谷東坂下の隣り合う3集落にそれぞれ鎮座しているので、

何かしらの関係性があったものと推察する。

(PS.『富山縣神社誌』によるとそれぞれの歓請は

根上:承応3年(1654年) 北谷:天文18年(1549年) 東坂下:天正3年(1575年)。

いずれも明治初頭まで伊須留岐比古社を奉称していたが、その後熊野神社となったとされる。)

 

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東坂下の神社は素朴ながら趣がある。

僕はこういう神社が好きだ。噛めば噛むほど美味しいスルメみたいな雅を感じる。

脇の石も何とも言えない味がある。

 

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東坂下の棚田からは、地を這う涼しい風が吹き上げてきた。

幾許か熱気も飛び、爽やかな気分だ。