前回の続き。
強風吹く窓際の寝床なのでなかなか寝付けなかった。
さっさと片してロビーでラーメンを食べて3:12出発。
未明の奥穂高岳の山頂は風の吹き曝しで、ガタガタ震える寒さ。
でもダウンを出す気はないので暫く我慢していると、続々と登ってくる。
薄明の朝が迎えに来たので暫し撮影に興じます。
ご来光は雲の中ですが、素晴らしい景色。
大海原の荒波の中に浮かぶ島々。
そして雲の帽子を飛ばした槍ヶ岳が朱に染まる姿を堪能し、
いよいよ今日の山旅を開始します。
奥穂西穂縦走の顔とも言うべし馬の背は、あっという間に終わっちゃいました。
改めて下から見ると何だこの道…道…?ってなるんですけどね。
「ゲームの世界に迷い込んだみたい」ってありきたりな表現、良くするんですけども
昔から憧れてた世界に自分が入ってるという感覚が味わいたくて
登山やってるってとこはありますね。
そして丸い頭のジャンダルムが手に届く距離に。
今写真を見てても感じる熱量。楽しかった…。
ていうかこの日は天気が良すぎましたね。
快晴なのに風が吹いて爽快で…。
ジャンダルムは直登ルートがあるのですが、足が悪くてチキりました。
回り込んで無事登頂。
5時頃 岩の要塞 ジャンダルム到着。
槍や穂高を眼に焼き付けつつ、ここからが本番開始。
上高地は雲の中に沈み。
天空に浮かぶ縦走路をひた歩きます。
目指す西穂は近いようで遠い。
登っては降り、降りては登り…。
この日は死亡事故もあって身を固くしました。
間ノ岳が見える頃、太陽も出てきて肌が焼ける。
この日の後は暫く指の皮がめくれまくりました。よくあるのよね。
核心と思ってた逆層スラブはあんまり恐怖感はない。
逆に間ノ岳直下の浮石地獄が、疲れた体にグッと来ましたね。
焦って滑ってしまわないよう慎重にへつりながら降りる。
ようやく西穂高の手前まで来て一息着く。
気の抜けない縦走路でした。
予定では11時までに着ければ御の字かな、と思ってましたが
意外と早く着けて助かりました。下山ラッシュに巻き込まれないうちに。
3月には西尾根で西穂高岳に登頂しましたが、まだその話も書いてないね。
うーん、いつか触れられたら良いのだけれど。
暫し休憩しながら、歩いてきた道を眺めて感慨にふける。
ぼちぼち登ってくる人も出てきたので、山荘まで下山します。
学校登山に巻き込まれて結構難儀しましたが、昼過ぎに無事山荘に到着。
超混みの山荘に分け入る気にはならず、そのままロープウェイまで下山しました。
一度やってみたいと思った奥穂西穂縦走ですが、
スリルの中にも楽しみが沢山詰まって良い山旅となりました。